企業誘致とは、税制優遇・補助金・用地提供等を組み合わせた立地支援策により、域外の企業を誘引して地域内に事業所を設置させる施策である。
自治体の企業誘致施策の法的根拠は国の法律ではなく、各自治体が独自に制定する立地奨励条例(企業立地促進条例)にある。奨励措置の典型的な構成は、固定資産税・都市計画税の課税免除(地方税法第6条に基づく非課税措置)・事業所用地取得費補助・雇用創出奨励金・職業訓練経費補助等であり、雇用者数・投資額・業種等の適用要件を条例で定める。都道府県と市町村が連携して展開する形態が一般的であり、都道府県が用地情報の一元的な提供・企業へのトップセールスを担い、市町村が個別奨励措置の交付と企業誘致後のフォローアップを担当する。企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律(企業立地促進法、平成19年法律第40号)に基づく同意基本計画(都道府県策定)に位置付けられた市区町村の誘致活動は、国の財政支援が受けやすくなる。工場立地法(昭和34年法律第24号)の緑地規制等の特例適用も誘致条件として活用されることがある。
工業団地の整備と管理
工業団地は企業誘致の主要なプラットフォームであり、用地の造成・分譲・管理に自治体または土地開発公社が関わることが多い。分譲残地がある場合の維持管理費や、市況悪化による分譲価格見直しが自治体財政に与える影響を考慮した事業収支計画の策定が重要である。既存の工業団地の老朽化更新・空き地への企業誘致(工業団地再生)も課題であり、産業用地として継続利用するか住宅・複合用途に転換するかの判断を用途地域等の都市計画手続と連動させる。
誘致後のフォローアップと定着支援
企業を誘致した後も、進出企業が定着・成長できるよう継続的な支援を行うことが長期的な税収確保につながる。雇用状況の把握・増設投資時の追加奨励措置・規制相談への対応・地元サプライヤーとのマッチング等が定着支援の主要メニューである。奨励金の交付条件として雇用者数や投資額の維持を要件とする場合、条件未達の際の返還請求手続を条例・要綱で定めておく必要がある。
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