市町村合併とは、複数の市町村が行政区域を一体化して新たな市町村を形成する手続きで、地方自治法・市町村合併特例法が手続きの基本を定める。
定義と種類
市町村合併とは、2以上の市町村が一体の市町村となる手続きであり、地方自治法第7条が基本的な手続きを規定する。合併の形式として、既存の市町村がすべて廃止されて新設される「新設合併(対等合併)」と、一方の市町村が廃止されて他方に吸収される「編入合併(吸収合併)」がある。合併の手続きとして、関係市町村の議会の議決・都道府県知事の処分・総務大臣への届出という流れが定められており、廃置分合(区域の変更)は都道府県知事が告示で実施する。
平成の大合併
1999年から2010年にかけて「平成の大合併」と呼ばれる大規模な市町村合併が進展した。合併特例法(市町村の合併の特例等に関する法律)による財政措置(合併特例債・交付税の合併算定替え等)を活用した合併が全国で行われ、市町村数は1999年の3232から2010年には1727まで約半減した。平成の大合併は行財政の効率化・スケールメリットの追求を目的として推進されたが、周辺地域の過疎化促進・旧町村の行政サービスの低下・地域コミュニティの弱体化といった課題も指摘された。
合併後の行政課題
市町村合併後の行政課題として、旧市町村間の条例・規則・計画・サービス水準の統合(条例等の一本化)・職員の配置調整・庁舎の集約・地域コミュニティの再構築等がある。合併特例として設けられた地域審議会(旧市町村区域の住民意見を反映する組織)の活用・廃止の判断も重要な課題となる。合併によって生じた面積の拡大・人口分布の変化に対応した行政サービスの再設計(出張所・支所の配置等)は住民サービスの質に直結するため、合併後10年間を見通した行政運営計画の策定が求められる。
広域連携との比較
市町村合併は行政区域を一体化する不可逆的な手続きであるのに対し、事務組合・広域連合・連携協約等の広域連携は区域を維持しながら特定事務を共同処理する柔軟な仕組みである。小規模市町村の行政運営を支える手段として合併より広域連携を選択する自治体が増加しており、定住自立圏構想・連携中枢都市圏構想等の制度を活用した広域行政体制の構築が推進されている。合併か広域連携かの選択にあたっては、住民サービスの維持・行政コスト削減・地域アイデンティティの保全・将来の財政見通し等を総合的に勘案した長期的な視点が不可欠である。
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