行政事件訴訟法

読み:ぎょうせいじけんそしょうほう

行政事件訴訟法とは、行政庁の処分・裁決等の違法を争う訴訟手続きを規定する法律で、取消訴訟・無効確認訴訟・不作為違法確認訴訟・義務付け訴訟・差止訴訟等の訴訟類型を定める。

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定義と位置づけ

行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)は、行政事件訴訟の種類・要件・手続きを規定する行政訴訟の基本法である。民事訴訟法の特別法として位置付けられ、行政訴訟に特有の処分性・原告適格・取消訴訟の排他性・出訴期間等の要件を定める。2004年改正では義務付け訴訟差止訴訟の明文化・確認訴訟の活用・仮の義務付け・仮の差止め等が追加され、国民の権利救済の実効性が強化された。改正以前は義務付け訴訟等の根拠が不明確であったため権利救済の実効性に問題があり、2004年改正はその欠缺を立法的に解消したものとして高く評価される。

主要な訴訟類型

行政事件訴訟法が定める訴訟類型として抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟がある。抗告訴訟は行政庁の処分・裁決に不服のある者が提起する訴訟で、取消訴訟(違法処分の取消し)・無効等確認訴訟・不作為違法確認訴訟・義務付け訴訟(申請型・非申請型)・差止訴訟がある。当事者訴訟は当事者間の法律関係を確認する訴訟で公法上の契約争い等を含む。民衆訴訟は国民一般が提起できる選挙無効・住民訴訟等であり、機関訴訟は国・自治体の機関相互間の権限争いを解決する訴訟類型である。いずれも法定の訴訟類型であり、法外の行政訴訟類型は認められない。

取消訴訟の要件

取消訴訟の特有の要件として処分性(取消訴訟の対象となる行政庁の処分または裁決であること)・原告適格(法律上の利益を有する者であること)・出訴期間(処分を知った日から6か月以内)・被告適格(処分をした行政庁の所属する国・公共団体)・審査請求前置(法令が定める場合)がある。処分性の範囲や原告適格の広さは最高裁判例によって形成・拡大されており、行政法実務において重要な法的論点となっている。出訴期間の起算点(処分を「知った日」の認定)も争訟において論点化するため、処分の通知方法と到達確認の記録保存が実務的に重要となる。

自治体の応訴実務

自治体が行政訴訟の被告となる場合、訴訟代理人弁護士の選任・法務担当部署による訴状の受付・関係部署の連絡調整・答弁書の作成・証拠収集・口頭弁論への対応という一連の手続きを担当する。敗訴した場合は当該処分の取消し・損害賠償義務が生じるほか、同種処分の見直しが必要となる。行政訴訟での敗訴を防ぐためには、処分の根拠条文・事実認定・理由の記載・手続きの適法性をあらかじめ厳格に確認する法務チェックが不可欠である。

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