訴訟代理人とは、当事者に代わって訴訟行為を行う権限を有する者で、行政訴訟においては弁護士が選任されるほか一定の条件下で行政庁の職員が自ら代理を行う場合がある。
定義と法的根拠
訴訟代理人とは、当事者(原告・被告)から代理権を授与されて当事者に代わって訴訟行為を行う者をいう(民事訴訟法第54条以下)。行政事件訴訟において自治体が被告となる場合、訴訟代理人として弁護士を委任することが一般的である。地方自治法第153条は首長が補助機関(職員)に事務を委任・補助執行させることを認めており、法律により認められた場合には職員が訴訟代理人として活動できる。法定の資格のない者は原則として訴訟代理人となれない(民事訴訟法第54条)。
行政訴訟における実務
自治体が訴訟の被告となる場合、法務・総務部門が訴状受付後に訴訟の性質・難易度・費用対効果を検討した上で弁護士委任の要否を判断する。複雑な法的争点を含む事案・損害賠償額が大きい事案・政策判断が問われる事案等では外部弁護士への委任が不可欠となる。委任弁護士費用は事案の難易度・金額・審級数等に応じて異なり、弁護士費用は原告が敗訴した場合でも自治体側の費用として予算計上が必要である。答弁書・準備書面の作成にあたっては担当部署が事実関係・行政的経緯を弁護士に詳細に説明することが訴訟遂行の質を左右する。
指定代理人制度
国が被告となる行政訴訟では、法務大臣が法務局の職員(指定代理人)を訴訟追行担当者として指定する制度(国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律)がある。自治体においては国の指定代理人制度に相当する制度がなく、弁護士委任か職員が代理人として活動する形式をとる。職員が代理人として活動する場合でも、専門的な法的判断については外部弁護士にセカンドオピニオンを求める体制を整備することが行政法務の質確保に有益である。
弁護士費用と予算管理
自治体の訴訟費用(弁護士費用を含む)は一般的に総務部・法務担当部署が一括管理し、年度予算に弁護士費用の見込み額を計上する。訴訟の勝敗を問わず弁護士費用は自治体の負担となるため、訴訟リスクの高い事業や制度設計段階での法的検討を強化することが長期的な訴訟費用の低減につながる。住民訴訟で原告が勝訴した場合の弁護士費用請求(地方自治法第242条の2第12項)のような特殊な規定にも担当者は精通しておく必要がある。
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