文化財保護法とは、文化財の指定・登録・保存修理・管理・公開等に関する規制・支援制度を定める法律(昭和25年法律第214号)であり、有形・無形の文化財の保存・活用・継承を図る。
定義と目的
文化財保護法(昭和25年法律第214号)は、有形文化財(建造物・美術工芸品等)・無形文化財(演劇・音楽・工芸技術等)・民俗文化財・記念物(史跡・名勝・天然記念物)・文化的景観・伝統的建造物群・埋蔵文化財等の多岐にわたる文化財を対象として、その保存・活用・継承に必要な規制・支援・調査等の制度を定める法律である。文化財保護法は戦後の文化財焼失・流出への反省を踏まえて制定され、以来70年以上にわたって改正を重ねながら日本の文化遺産の保全を支えてきた基本法である。
文化財の種別と指定
文化財は①国指定(国宝・重要文化財・重要無形文化財・重要文化的景観等)と②地方指定(都道府県・市区町村が条例で指定)の二層構造をとる。国指定文化財は所有者の保存管理義務・現状変更の許可制・補助金支援等の規制・支援が適用される。自治体は独自の指定文化財を設けて保護の裾野を広げる役割を担っている。未指定の文化的価値を持つ有形・無形の文化財(民俗文化財・産業遺産・近代建築等)の調査・記録・保存支援も自治体の文化行政の重要な実務となっている。
自治体の文化財行政
市区町村は教育委員会が文化財保護行政を担い、①地方指定文化財の指定・管理台帳の整備、②埋蔵文化財包蔵地の把握・開発事業との発掘調査の調整、③文化財の普及啓発・公開促進、④無形民俗文化財・祭礼・伝統行事等の記録・継承支援が主な業務となる。文化財保護と開発行為の調整が実務上の重要な課題となっている。埋蔵文化財包蔵地での開発許可申請には発掘調査の協議が必要であり、開発スケジュールへの影響を最小化しながら文化財保護の目的を達成するバランスのとれた対応が担当者の重要な実務能力となっている。
文化財の活用政策
2019年改正で文化財の「保存」から「保存と活用の両立」へと政策の方向性が強化された。歴史的建造物のリノベーション・観光活用・ストーリーを軸としたエリア一体型の「日本遺産」認定制度等が活用手法として展開している。自治体は文化財を地域ブランドの核として位置付けた観光振興・まちづくりと連動した施策を推進している。文化財の活用にあたっては保存状態の維持・解説の充実・バリアフリー対応等の整備が集客力強化と文化財保護の両立を実現する前提条件となっている。
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