設計委託とは、建築・土木工事の設計業務を民間のコンサルタントや設計事務所に委ねる契約で、完成した設計図書が成果物となり、その後の施工発注の根拠となる。
設計委託とは、自治体が発注する建築・土木工事について、その設計図書(設計図・仕様書・数量計算書等)の作成を専門的知識を持つ外部機関(建設コンサルタント・建築設計事務所等)に委嘱する契約である。設計の質が後続する施工工事全体の品質・コストを規定するため、設計委託の段階での要件整理が重要である。
設計委託の種類
設計委託は①建築設計(建物の意匠・構造・設備の設計)と②土木設計(道路・橋梁・河川・上下水道等の設計)に大別される。建築設計は一級建築士事務所への委託が法律上義務づけられる場合があり(建築士法)、土木設計は建設コンサルタント登録業者が受注する。設計の段階は基本設計(規模・機能・概算費用の設定)と実施設計(施工可能な詳細図面・仕様書の作成)に分けて発注することが多く、それぞれに別途の委託契約が締結される。
選定方式とプロポーザル
設計委託の選定には価格競争(設計料の入札)のほか、設計者の技術力・実績・提案内容を評価するプロポーザル方式(技術提案書の審査)が広く採用される。プロポーザル方式では参加者が設計の考え方・類似実績・体制を提案し、選定委員会が評価して設計者を特定する。価格は特定後の交渉(見積交渉)で決定するため、純粋な価格競争ではなく技術力を重視した選定が行われる。公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)はプロポーザル・コンペ等の活用を推奨している。
設計図書の成果と責任
設計委託の主な成果物は設計図・仕様書・数量計算書・工事費概算書であり、これらが後続する施工工事の入札・契約の基礎となる。設計に欠陥があり施工後に問題が生じた場合、設計受託者は民法上の契約不適合責任または不法行為責任を問われる可能性がある。設計変更が生じた場合の追加設計料の扱い、著作権の帰属、電子データの納品形式等は仕様書に明示しておくことが後日の紛争防止につながる。発注機関は設計の妥当性を技術的に審査できる職員を配置するか、外部の技術支援を活用することが成果の品質確保の前提となる。 設計委託の成果物(設計図書・計算書・報告書等)は発注機関の財産として電子データとともに長期保存し、工事発注・維持管理・改修計画の参照資料として継続的に活用する体制を整える。発注機関の担当者は成果品の納品前に内容を技術的に審査し、設計の整合性・法令適合性・施工可能性を確認することが工事費の無駄を防ぐ基本となる。
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