工事検査とは、工事請負契約に基づいて施工された工事が契約書・設計図書等の仕様どおりに完成しているかを確認する行政の検査行為であり、自治体では監督・検査員(または外部委託の検査機関)が実施する。
地方自治法施行令第167条の15は「普通地方公共団体は、工事の請負契約の給付の完了の確認をするため検査をしなければならない」と定め、検査後でなければ対価の支払いができない(同条第5項)。検査は設計図書(設計書・仕様書・図面等)と現場の施工状況を照合し、出来形(実際の寸法・形状)・品質(材料・施工方法)が契約内容と合致しているかを確認する。
完了検査と中間検査
完了検査は工事完成後に全体の出来形・品質を確認する最終検査で、検査の合格をもって対価(工事代金)の支払いが認められる。中間検査(出来高検査)は工事期間中の特定の時点(基礎工事完了後・構造体施工後等)に実施し、後から確認できない埋設部分・施工工程を確認する。設計変更が生じた場合は変更設計図書と照合して完了検査を行う。 検査結果が不合格(手直し・補修が必要)の場合は受注者に改善箇所を示した「検査調書(指摘事項)」を交付し、手直し後に再検査を実施する。手直しが適切に行われていることを確認したうえで合格とし、検査調書(合格)を作成して支払いを承認する手続きとなる。
工事監督との違い
工事監督は施工中の工程管理・出来形管理・品質管理・安全管理について発注者側が日常的に確認する業務で(地方自治法施行令第167条の15第2項)、検査とは別の継続的な管理行為だ。大規模工事では工事監理者(建築士等)が設計図書どおりの施工を確認する役割を担い、自治体担当者は工事監理報告書を基に監督業務を補完する。
委託検査と職員研修
自治体が専門の検査員を配置する余裕がない場合は、建設コンサルタント等への検査業務委託(設計・監督業務の外部委託。自治法施行令第167条の15第3項)を活用できる。工事検査員の技術力確保のため、都道府県・市区町村を対象とした検査員研修(国土交通省・全国土木施工管理技士会等の研修)への参加と、実践的な検査経験の積み重ねが担当者育成の基本だ。
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