排出事業者責任

読み:はいしゅつじぎょうしゃせきにん

排出事業者責任とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第3条・第12条に基づく原則で、産業廃棄物を排出する事業者が処理を委託した後も最終処分に至るまで処理の適正化に責任を負うことをいう。

この説明はいかがですか?

廃棄物処理法の基本思想は「排出した者が最後まで責任を持つ」という点にある。処理を委託しても事業者の責任が消滅するわけではなく、処理業者が不法投棄を行った場合でも委託基準違反があれば排出事業者も措置命令の対象となりうる。この責任の連続性が産業廃棄物管理票(マニフェスト)の制度的根拠ともなっており、排出から最終処分までの流れを書面で追跡する必要性を生み出している。

責任の根拠と委託基準

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第3条は事業者の自己処理の努力義務を定め、第12条第5産業廃棄物の処理基準を定める。委託は都道府県知事等の許可を受けた業者にのみ認められ、委託契約書の書面締結と委託基準の遵守が必要となる(同法施行令第6条の2)。委託基準に違反した排出事業者に対し、知事は廃棄物の撤去等を命じる措置命令を発動できる(同法第24条の2)。 廃棄物処理法第12条第5項は「産業廃棄物の処理を他人に委託する場合は委託基準に従わなければならない」と定め、委託基準(施行令第6条の2)は許可業者への委託・委託契約書の書面締結・処理単価の適正水準確保(著しく低い価格での委託は不正処理を誘発する)を要求する。不適正処理の疑いがある場合、排出事業者は委託先への立入調査を行う努力義務を負う(第12条第6項)。産業廃棄物の管理を怠った法人は、最大3億円の罰金が科される法人両罰規定の対象となる(同法第32条)。

不法投棄への連帯責任と自治体の監視

処理業者が不法投棄した場合でも、排出事業者が委託基準を遵守していれば原則として措置命令の対象外だが、委託契約の内容が不適切だったり虚偽のマニフェストを黙認した場合は委託基準違反として責任が及ぶ。最高裁平成15年1月17日決定は、廃棄物処理法違反における排出事業者の共犯成立可能性を示した。自治体の産業廃棄物担当部局は許可審査・立入検査を通じ、排出事業者と処理業者双方の法令遵守状況を確認する立場にある。

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