自然公園法
読み:しぜんこうえんほう
自然公園法とは、優れた自然の風景地を保護・利用するために国立公園・国定公園・都道府県立自然公園を指定し、開発規制・利用促進・管理体制等を規定する法律をいう。
定義と制度概要
自然公園法(昭和32年法律第161号)は優れた自然の風景地を保護し、その利用の増進を図ることを目的として国立公園・国定公園・都道府県立自然公園の指定・保護・利用に関する制度を規定する法律である。国立公園は環境大臣が指定し環境省が管理、国定公園は環境大臣が指定し都道府県が管理、都道府県立自然公園は都道府県知事が指定・管理する区分となっている。全国に32の国立公園(富士箱根伊豆・大山隠岐・阿蘇くじゅう・屋久島等)が指定されており、国内外の観光客・自然愛好家の重要な観光・レクリエーション資源となっている。
公園計画と規制区域
自然公園法は公園区域内に特別地域・特別保護地区・海域公園地区・普通地域等の規制区域を設定し、区域ごとに建築・木竹の伐採・土地の形状変更等の行為に許可または届出を要する規制を課す。特別保護地区は最も保護の強い区域であり、景観を損なう可能性のある行為は原則禁止される。公園利用の促進としては登山道・ビジターセンター・休憩施設等の整備・管理が公園計画に基づいて行われ、自然との調和を保った利用促進(エコツーリズム)が推進されている。
都道府県・市区町村との関係
国定公園・都道府県立自然公園の管理は都道府県が担うが、国立公園を含む自然公園の周辺市区町村は自然公園の保全・利用において重要な役割を担う。公園区域内での開発許可申請への協議・公園バッファゾーン(周辺地域)での土地利用調整・観光客の受入体制整備(駐車場・トイレ・宿泊施設等)・地元住民と観光客の共存策等が市区町村の実務課題となる。世界自然遺産への登録(屋久島・白神山地・知床・小笠原等)は自然公園管理の国際水準での評価を示すものであり、登録地の市区町村は管理保全への高い専門性・体制整備を要する。
環境省・公園管理の実務
国立公園の管理は環境省の地方環境事務所・国立公園事務所(パークレンジャー配置)が担い、自然解説・巡視・施設管理・利用者への情報提供・違反行為への指導等を行う。都道府県担当部署は国定公園の保護規制の執行・利用施設の整備・利用者調査・パーク・ゾーニングの見直し等を担当する。公園管理の質を高めるためには自然科学・観光・まちづくりの専門知識を有する職員の確保・育成と、地域住民・NPO・観光事業者との協働による管理体制(パートナーシップ管理)の構築が不可欠である。
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