水道事業

読み:すいどうじぎょう

水道事業とは、水道法に基づいて一般の需要に応じて水を供給する事業で、市区町村等の地方公共団体が経営する公営企業として上水道・簡易水道等の施設を整備・管理する。

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定義と法的根拠

水道事業は水道法(昭和32年法律第177号)に基づき一般の需要に応じて水を供給する事業であり、都道府県知事(または国土交通大臣)の許可を受けて経営される。給水人口5,001人以上の水道は「水道事業」、101〜5,000人は「簡易水道事業」として区別され、水道用水供給事業(他の水道事業者に原水・処理水を供給する事業)も水道法の規律下に置かれる。市区町村が直営で経営する場合が多いが、公営企業法の適用を受ける地方公営企業として独立採算が原則とされる。

水道事業の課題

日本の水道は高度経済成長期に整備された管路・施設の老朽化が全国的な課題となっており、更新需要に対して料金収入・補助金で賄える財源が不足する「水道クライシス」が深刻化している。人口減少に伴う有収水量の減少・水道施設の維持管理コスト増大・技術職員の確保難が同時に進行しており、料金値上げ・施設のダウンサイジング・広域連携・官民連携(コンセッション方式等)による経営改善が政策的に推進されている。国は水道法改正(2018年)により広域連携の推進・適正な資産管理・官民連携の促進のための制度整備を行った。

広域化・官民連携

水道事業の持続可能性確保のため、都道府県が主体となった水道広域化推進プランの策定・隣接市町村間の施設の共同利用・水道用水供給事業への経営統合等が推進されている。PFI・コンセッション(施設の所有権は公共が持ちつつ運営権を民間に売却する方式)を活用した官民連携が宮城県・浜松市等の事例として実施されており、民間の技術力・経営効率化ノウハウの活用とユニバーサルサービスの維持の両立が重要な政策課題となっている。広域化・官民連携の選択は財政状況・技術職員の確保状況・近隣自治体との関係等を総合的に勘案して判断する必要がある。

危機管理と安全確保

水道は市民生活・産業活動の基盤インフラであるため、地震・水害・渇水等の自然災害・水質事故(異物混入・有害物質等)への備えが水道事業者に義務付けられている。水道法第22条の2に基づく水道BCPの策定・施設の耐震化・非常用電源の確保・バックアップ水源の確保・相互応援協定の締結等が危機管理の基本的な要素として整備される。大規模地震等で断水が発生した場合の応急給水(給水車・応急給水所)と本管復旧の手順を定めた訓練・マニュアルの整備が市区町村の重要な実務課題となっている。

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