IoT活用とは、センサー・カメラ・計量器等の物理的な機器をネットワークに接続し取得したデータをリアルタイムで収集・分析する技術(IoT:Internet of Things)を行政サービスや都市インフラの運用に応用する取り組みであり、自治体では道路・橋梁の状態監視・防災センサー網・スマートメーター活用等に実装例がある。
IoTは、機器に取り付けたセンサーや通信モジュールがデータを継続的にクラウド・サーバーへ送信し、AIや分析ツールで処理することで、従来は人手で行っていた巡回点検・計測作業を自動化・省力化するものである。自治体では職員の現場作業の削減と早期異常検知を目的として導入が進んでいる。設置コストの低下と通信規格(LPWA等の低消費電力広域通信)の整備により、大規模な施設だけでなく小規模な設備にも導入しやすくなっている。
自治体における主な活用場面
①インフラ点検の効率化: 橋梁・トンネル・道路にひずみセンサー・振動センサーを設置し、老朽化の進行を遠隔でモニタリングする。②防災・気象観測: 河川水位センサー・雨量センサーを公共インフラに設置し、浸水リスクを早期に検知する。③スマートメーター(水道): 水道の自動検針・漏水検知に活用される。④空き家・不法投棄対策: センサーや画像解析で不法投棄・不法侵入を検知する実証事業が進んでいる。
導入上の留意点
IoT機器の導入にあたっては、①通信回線コスト(SIMカード契約・LPWA基地局費用等)、②機器の耐用年数と交換計画、③収集データのセキュリティ管理(外部サーバーへの送信を伴う場合の個人情報保護・情報セキュリティポリシーとの整合)、④担当課がデータを実際に活用できる分析体制の整備、が検討事項となる。
データ連携基盤との関係
デジタル田園都市国家構想の推進においてIoTデータ基盤(データ連携基盤)との統合が構想されており、国土交通省のGISデータや農業データ等との接続が検討されている。庁内部門のIoT機器が個別調達・個別管理されている場合、データの形式・更新頻度が統一されておらず連携が困難になることがある。
スマートシティにおける位置付け
スマートシティ施策においてIoTは中核技術の一つとして位置付けられる。交通量センサー・環境モニタリング・混雑情報の収集等をIoTで実装し、データ連携基盤に蓄積したデータをAI分析にかけてサービス改善や政策立案に活用する「データ駆動型の都市運営」が構想されている。ただし技術の導入が目的化し、データの活用計画が不明確なまま整備だけが進むケースには注意が必要である。
整備したIoT機器のデータが実際に意思決定や業務改善に活用されるためには、データ分析担当者の育成・外部専門家との連携・分析環境の整備が前提となる。機器の整備と並行してデータ活用体制を検討しておく必要がある。
ご意見箱(匿名で投稿できます)