原子力災害対策

読み:げんしりょくさいがいたいさく

原子力災害対策とは、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力施設周辺市町村が策定する防護区域の設定と段階的な防護措置の計画体系である。

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原子力施設が立地する市町村またはその周辺市町村は、原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)に基づき地域防災計画の原子力対策編を策定する。通常の自然災害と異なり、放射線量の推移に応じて段階的に防護措置を発動する仕組みが制度の核心であり、防護区域の設定から避難先の確保まで体系化された計画が必要となる。防護区域はPAZ(予防的防護措置準備区域、おおむね半径5km)とUPZ(緊急時防護措置準備区域、おおむね半径30km)に区分され、区域ごとに異なる対応レベルが定められる。住民の避難は距離・風向き・放射線量を踏まえて動的に判断されるため、平時からの訓練と国・県との情報連絡体制の整備が実務上の核心となる。安定ヨウ素剤については内閣府の指針に従いUPZ内全住民への事前配布体制整備が自治体の責務とされており、配布場所の確保と管理が担当課の継続的な課題である。

防護措置計画の構成と策定手続き

地域防災計画原子力対策編の策定は、内閣府原子力規制委員会が定める「原子力災害対策指針」(平成24年策定、累次改定)を基準として行う。PAZ内の市町村は全面緊急事態(GE)の宣言前から予防的避難を実施する計画とし、UPZ内は施設状況の進展に応じて屋内退避・一時移転・緊急時避難の順で対応する段階計画を定める。広域避難計画では、隣接都道府県・市町村との受入協定の締結が必要であり、避難先施設の受入可能人数・開設手順を付属資料として整備する。バス・船舶等の輸送手段の確保は運送事業者との協定で担保し、事業者リストを計画書に明記する。

平時の訓練と要配慮者対応

内閣府主導の原子力防災訓練が毎年実施されており、自治体担当者の参加によって手順の熟度を維持する。入院患者・介護施設入居者等の要配慮者については、搬送可能な車両と受入先医療機関・福祉施設をあらかじめリスト化し、個別計画を策定することが求められる。防災行政無線・緊急速報メール・Jアラートを組み合わせた多重の情報伝達体制を整備し、放射線量の実測値をリアルタイムで住民に公表できる体制も平時から構築しておく。

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