データガバナンスとは、組織が保有するデータの品質・利活用・セキュリティ・権限に関するルールと体制を整備し、データを適切に管理・活用する仕組みの総体である。
自治体のデータガバナンスは個人情報保護法(令和4年4月全面施行の改正法により自治体の条例規制が統一化・法律に一元化)・行政機関の保有する情報の公開に関する法律・オープンデータ推進指針(政府の情報システム整備計画)等を横断する管理体系として整備が求められる。令和4年改正個人情報保護法は自治体が独自の個人情報保護条例で定めていた実質的な規制を法律に一本化し、個人情報保護委員会が一元的に監督する体制に移行した。この改正によりデータ移転・第三者提供・利用目的変更等のルールが国の基準に統一されたが、自治体は条例で上乗せ・横出し規制を設けることが依然として可能である。オープンデータの推進については「オープンデータ基本指針」(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)に基づき、自治体は公共データをCC BY(クリエイティブ・コモンズ表示)またはCC BYに準じたライセンスで公開することが求められる。データカタログの整備・API提供・CKAN等のオープンソースプラットフォームの活用が具体的な実装手段として用いられる。
庁内データ管理体制の整備
自治体のデータ管理が課題となる背景には、部局ごとに管理されたサイロ型データ(住民基本台帳・税務・福祉・教育等)を横断活用しにくい構造がある。データガバナンスの整備ではデータオーナー(データの責任部局)の明確化・データ品質基準の設定・マスターデータの統合(住所・法人番号等の表記揺れ解消)が先行する作業となる。庁内データポータル(データカタログシステム)を整備して各部局のデータを横断検索できる環境を作ることが中長期の目標として設定されることが多い。
EBPMとデータ利活用の接続
データガバナンスの整備はEBPM(証拠に基づく政策立案)の実践基盤となる。政策効果の測定・施策の費用対効果分析・人口動態や税収の推計等に庁内データを活用するには、データの正確性・一貫性・時系列での比較可能性が前提となる。データを分析する統計・データサイエンスの専門職員の配置または外部委託の活用、そして分析結果を政策立案プロセスに組み込む庁内の合意形成が、EBPM推進の実務上の課題として浮上している。
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