競り下げ方式

読み:せりさげほうしき

競り下げ方式とは、入札参加者が互いの価格情報を参照しながら段階的に入札額を引き下げていく競争方式であり、最終的に最低価格を提示した参加者が落札するもので、リバースオークションの基本的な競争メカニズムを指す概念である。

この説明はいかがですか?

競り下げ方式はリバースオークションとほぼ同義に用いられることが多いが、「競り下げ」という語は電子システムの有無によらず価格が下方向に競争される方式全般を指す広義の概念として使われる場合もある。通常の封印入札では参加者が他社の価格を知らないまま1回の入札を行うのに対し、競り下げ方式では一定のラウンド制やリアルタイム方式で互いの価格を参照しながら繰り返し価格を引き下げることが特徴である。価格情報の開示による競争の激化が調達コスト削減につながる一方、参加業者の収益を圧迫するリスクも内包する。競り下げが複数ラウンドにわたる場合、業者が損失覚悟で落札しようとする過度な価格低下が生じることがあり、下限価格(フロア価格)の設定が市場秩序の保全に機能する。調達機関が競り下げ方式を採用する際は価格引下げ競争の範囲を設計段階から制度として定めることが安定的な調達の前提となる。競り下げ幅の最小単位や最終入札前の猶予時間延長ルールを定めることで、参加業者の入札行動を安定させることができる。また、参加業者に事前に競り下げの仕組みを周知し、操作方法や入札のルールを正確に伝えることが支障なく入札を実施するための条件となる。参加業者向けの操作説明会を開催することで技術的なトラブルを未然に防ぎ、競争の実効性を高めることができる。

適用上の考慮事

競り下げ方式は品質・仕様が明確に確定されている調達に適しており、価格以外の要素(技術力・品質・アフターサービス等)が重要な調達には不向きとされる。特定の市場で寡占状態にある場合は競り下げ効果が限定的となるため、事前の市場調査で競争環境を確認することが前提となる。また、競り下げの過程で採算割れ価格が提示されるリスクに備えて最低落札価格(フロア価格)を設定する措置が一般的に採られる。参加業者数が少ない案件に競り下げ方式を適用すると、競争が機能せず従来の封印入札より高値になるケースもあることに留意が必要である。

リバースオークションとの関係

日本の公共調達においては「競り下げ方式」と「リバースオークション」はほぼ同義として扱われることが多い。リバースオークションは電子システム上で実施されるオンラインの競り下げを指すことが一般的であり、競り下げ方式のデジタル実装形態と理解できる。実務上は「電子リバースオークション」または単に「リバースオークション」という呼称の方が行政文書・調達要領では多く使われる傾向がある。

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