リバースオークションとは、インターネット上の電子入札システムを活用して複数の入札参加者がリアルタイムで入札価格を競い下げる電子調達手法であり、参加者が互いの現在価格を参照しながら価格を引き下げることで落札価格が決まるものである。
通常のオークション(競り上げ)は購入者が価格を競い上げるものであるが、リバースオークションはその逆で、売り手側(受注希望業者)が価格を競い下げていく仕組みである。調達機関(発注者)が求める仕様・品質・納期を確定したうえで入札を開始し、参加業者がシステム上で他社の現在入札価格を参照しながら自社の提示価格を随時引き下げていく。一定の応札時間が経過し最後に最低価格を提示した業者が落札者となる。封印入札(通常の競争入札)では他社の価格が分からないのに対し、リバースオークションでは競争状況がリアルタイムで可視化されるため、価格引下げ効果が高いとされる。電子調達システムとの親和性が高く、大量の物品調達を行う自治体では導入によって調達コスト削減と事務効率化を同時に図れる可能性がある。仕様が明確に確定できる汎用品を定期的に調達する場合、従来方式との比較試算を事前に行ったうえで導入を判断することが望ましい。システムで競争が可視化される仕組みが業者間の価格感覚を変化させ、競争の質自体が変わる点も導入前に認識しておく必要がある。
活用場面と導入効果
単価が明確に設定できる汎用物品・消耗品・標準的なサービス調達に適しており、仕様の明確化が難しい設計・コンサルティング等の業務委託には不向きである。国・政府系機関では物品調達へのリバースオークション試行が進んでおり、一部自治体でも導入事例が増えている。導入機関の報告では従来入札比10〜30%程度の価格削減効果が報告されているケースもあるが、ダンピングリスクや品質低下を防ぐため、入札最低価格(下限価格)を設定することが一般的である。
導入上の課題
リバースオークションを実施するには電子入札システムの機能拡張または専用プラットフォームの導入が必要となる。システム運用コストと価格削減効果のバランスを事前に評価することが導入判断の根拠となる。また、参加業者が競り下げの過程で採算を無視した価格を提示するリスクへの対応として、下限価格設定・品質審査との組み合わせ・業者の財務健全性確認などの補完措置を整備することが調達品質確保の前提となる。導入後は落札価格の推移・競り下げの深度・参加業者数を定期的に分析し、制度の効果と課題を継続的に評価することが持続的な調達改善につながる。試行期間中のデータを蓄積して費用対効果を検証し、本格導入の意思決定に活かすことが制度化の合理的なプロセスとなる。
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