観光振興
読み:かんこうしんこう
観光振興とは、地域の観光資源(自然・文化・産業・食等)を活用して国内外からの旅行者を誘致し、観光消費による地域経済の活性化・雇用創出・地域ブランドの向上を図る施策の総称をいう。
定義と政策的位置づけ
観光振興とは、地域が有する自然・歴史・文化・産業・食・温泉等の多様な観光資源を活用して旅行者を誘致し、宿泊・飲食・交通・土産品等の観光消費による地域経済の活性化・雇用創出・住民の生活文化向上を図る政策・事業の総称である。観光立国推進基本法(平成18年法律第117号)・観光立国推進基本計画に基づき国土交通省観光庁が政策の中枢を担い、都道府県・市区町村は地域観光戦略の策定・観光施設の整備・観光客の受入環境整備等を実施する。
自治体の観光施策
自治体の観光振興施策として、観光地づくり・景観整備・観光情報発信(公式観光サイト・SNS活用等)・観光案内所の運営・観光イベント・祭りへの支援・インバウンド(外国人旅行者)受入環境整備(多言語案内・Wi-Fi整備・免税手続き支援等)・観光地経営組織(DMO:Destination Management Organization)の設立・支援等がある。観光振興は商工・農林・文化財・まちづくり等の多部門が関わるため、横断的な調整体制(観光部局のハブ機能)が施策の実効性を高める。
DMOと地域観光戦略
DMO(観光地域づくり法人)は観光地のブランド化・マーケティング・旅行商品造成・観光消費単価の向上等を戦略的に推進する専門組織として観光庁が登録制度を整備している(登録DMO・候補DMO)。観光庁のデスティネーション統計・旅行消費調査を活用したデータに基づく観光地経営の確立が求められており、DMOが観光KPI(消費額・延べ宿泊者数・観光客満足度等)を定期的に測定・分析して戦略を改善するPDCAサイクルの定着が政策上の重要課題となっている。
オーバーツーリズムと持続可能な観光
訪日外国人旅行者数の急増(コロナ禍後の回復・円安効果等)を背景に、京都・富士山麓・鎌倉等の人気観光地ではオーバーツーリズム(観光客の過集中による生活環境悪化・自然環境破壊等)が深刻な問題となっている。混雑対策(時間帯・人数制限)・マナー啓発・旅行者分散のための新たな観光拠点開発・宿泊税の活用による観光地整備財源確保等の対策が都市・自治体の政策課題として取り組まれている。持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)の推進という趣旨から、地域住民の生活と旅行者体験の両立を図る観光地経営が国際的にも重視されている。
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