あて職

読み:あてしょく

あて職とは、特定の役職・官職に就いた者がその地位を理由として当然に他の職・委員等を兼ねる慣行であり、法令または内規により職位と兼職が自動的に連動する仕組みである。

この説明はいかがですか?

地方公共団体においては、例えば「副市長が○○委員会委員長を兼ねる」「総務部長内部統制委員会委員を兼ねる」といったように、特定の職位に就いた者が他の機関・委員会等の委員や役職を自動的に兼務する実務慣行をあて職という。法令上の根拠がある場合と、条例規則・内部規程に基づく場合、さらに内規・慣例のみによる場合がある。

あて職の機能と問題点

あて職の機能として、①関係部署の責任者が委員会等に自動参加することで組織間の連絡調整が容易になる点、②担当者個人ではなく職位として参加することで担当者交代時の引き継ぎを省略できる点が挙げられる。一方で、①一人の職員が多数の委員会をあて職で兼務し実質的な検討がなされない「形骸化」、②外部委員の独立性が損なわれる懸念(特に外部評価委員会への庁内職員のあて職)といった問題点も指摘されている。

実務上の管理

あて職の根拠・対象・兼職範囲を一覧化した台帳を人事担当部署が管理し、人事異動のたびに新任者へのあて職一覧の引き継ぎを行う。法令上のあて職については根拠条文を明示し、内規のみのものについては定期的に必要性を見直すことが組織管理の合理化につながる。審議会・委員会の委員報酬が支給される場合、あて職の職員が報酬を受領する根拠と手続きを条例・規則に明確に定めることが必要であり、根拠が不明確なまま報酬を受領することは会計上の問題につながる。

見直しの方向性

地方行革の推進に際し、あて職による形式的な委員参加を廃止し実質的な議論ができる体制へ再編することが課題とされている。特に第三者的な評価・検証機能を持つ委員会では庁内職員のあて職を排除し外部有識者を中心とした構成とすることで、独立性と実効性が高まる。あて職の全件リストを定期的に議会に報告し、その必要性を説明する透明性の確保が住民への説明責任の基盤となる。組織再編の機会にあて職の全件を洗い出し、不要なものを整理することが役職兼務の合理化につながる。あて職による兼職状況を情報公開の対象とし、定期公表により住民からの信頼を維持することが行政の透明性向上に寄与する。あて職の見直しは定期的な組織改革の機会に合わせて実施し、組織の硬直化を防ぐことが行政改革の一環となる。担当組織における実務標準の維持と継続的な制度理解の深化が個々の職員の専門性向上に寄与し、業務品質の底上げと住民サービスの質の確保につながる。関係法令の改正動向を継続的に把握し、制度変更を速やかに実務に反映する体制整備が担当部署の基本的な取組となる。

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