RPAとは、Robotic Process Automationの略で、ソフトウェアロボットが定型的なパソコン操作を自動化する技術であり、自治体の業務効率化の手段として活用が広がる。
RPAはパソコン上での繰り返し作業(画面操作・データ入力・ファイル転記・メール送信等)をソフトウェアロボットが代替する技術であり、従来の業務システム改修とは異なり、既存システムの画面・データを人間の操作と同様の方法で処理する点が特徴である。総務省「自治体DX推進計画」(令和2年12月策定、令和5年9月改訂版)は業務の標準化・自動化の手段としてRPAを明示しており、地方交付税措置を含む財政支援策が整備されている。自治体での活用が進む業務は、国民健康保険料の算定処理・統計報告書の入力・補助金申請の集計・庁内申請書類の振分け等であり、人手を介した転記ミスの削減と処理時間の短縮が実測効果として報告されている。RPA導入の費用対効果を算定する際は、自動化できる作業時間の削減量(年間時間数)とRPAライセンス料・保守費・開発費の総コストを比較し、回収期間を算出することが予算要求の根拠となる。シナリオ(自動化の手順を定義したプログラム)は業務フローが変わるたびに修正が必要であり、庁内に保守できる体制(担当者の育成・技術引継ぎ)を整備することが長期運用の前提条件となる。
業務プロセスの見直しとRPA導入の順序
RPA導入の失敗事例の多くは、業務プロセスを見直す前にRPAを適用しようとしたことに起因する。業務の棚卸し→業務フローの標準化→自動化対象の選定という順序で進め、RPAは最後に適用する。業務フローが複雑すぎるもの・例外処理が多いもの・一定期間で廃止される業務には不向きである。最初の試行(PoC)で1〜3業務に絞って効果を検証してから全庁展開を判断することが、過剰投資を防ぐ実務上の手順として推奨される。
AI-OCRとの組合せ活用
RPAとAI-OCR(人工知能を使った文字認識技術)を組み合わせることで、紙申請書のデータ入力作業を自動化できる。AI-OCRが紙帳票をデジタルデータに変換し、RPAが変換データを基幹システムに入力する流れを構築することで、手書き申請書の処理コストを大幅に削減できる。導入時の認識精度の検証と、誤認識が発生した場合の例外処理手順の設計が導入設計の重要なポイントである。
ご意見箱(匿名で投稿できます)