建築審査会とは、建築基準法第78条に基づき建築主事を置く市町村と都道府県に設置され、特定行政庁の例外許可等への同意と、建築確認など建築行政処分への審査請求の裁決を担う合議制の附属機関である。
接道していない敷地の許可、道路内の建築、壁面線の指定——建築基準法が特定行政庁の裁量に委ねた例外判断には、ほぼ例外なく「建築審査会の同意」という関門が置かれている。建築基準法は市街地の最低基準を一律に課す法律だが、画一規制だけでは救えない敷地が現実には残るため、特定行政庁の許可で個別に例外を開く仕組みを併せ持つ。その例外が恣意に流れないよう、法律、経済、建築、都市計画、公衆衛生、行政の学識経験者5人以上で組織する第三者機関の同意を許可の前提に置いたのが建築審査会である。同じ組織がもう一つの顔として、建築確認や違反是正命令への審査請求を裁決する不服審査機関を兼ねる点に特色がある。都市計画法の例外を扱う開発審査会と対をなす存在であり、建築指導課の例外許可案件は付議資料の作成から答申まで建築審査会の運営と切り離せない。
同意——例外許可の公正を担保する関門
建築審査会の同意が必要となる代表例は、接道義務を満たさない敷地への許可(法第43条第2項第2号)、道路内建築の許可(法第44条)、壁面線の指定(法第46条)、地区計画の区域内での予定道路の指定(法第68条の7)である。いずれも一律規制の例外を特定行政庁の判断で開く場面であり、同意は裁量の公正を学識の目で担保する手続にあたる。実務では、過去の答申で類型化された定型案件についてあらかじめ「包括同意基準」を定め、基準に適合する案件は個別の付議を省いて事後報告とする運用が広く使われており、審査会の負担と許可までの期間を抑えながら、基準外の難件に審議を集中させている。
審査請求の裁決機関——建築行政専用の不服ルート
建築主事や指定確認検査機関による建築確認、特定行政庁の命令といった建築基準法令上の処分への審査請求は、行政不服審査法の一般ルートではなく建築審査会に対して行う(法第94条)。指定確認検査機関が行った確認も、その機関ではなく確認に係る建築物の所在地を所管する特定行政庁側の建築審査会が裁決する点は、民間開放後の救済の急所である。裁決は受理から1か月以内に行うものとされ、専門技術的な争点を迅速に裁く設計になっている。かつて建築基準法上の処分は審査請求を経なければ取消訴訟を起こせない前置主義が敷かれていたが、平成26年の行政不服審査法整備で前置は廃止され、現在は審査請求と取消訴訟のどちらを先にするかを選べる。
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