答申とは、行政庁の諮問を受けた附属機関等が審議の結果をまとめて行政庁へ回答することをいう。
審議会が出した結論は、自治体の決定をどこまで縛るのか。答申は行政庁の諮問に対する附属機関の回答であり、それ自体に法的拘束力はないが、必置の諮問に対する答申を無視した決定は手続の信頼を損ない、しばしば訴訟リスクを抱える。答申は審議会・調査会・○○審査会などの附属機関が、所定の審議や調査、ときに公聴会やパブリックコメントを経て取りまとめ、文書(答申書)として行政庁へ提出する。行政庁は答申を尊重して処分や計画決定を行うのが通例で、答申と異なる判断をする場合には合理的な理由の説明が事実上求められる。行政不服審査法の審査庁が行政不服審査会から受ける答申のように、第三者機関の答申を裁決に反映させる仕組みもある。答申に近い行為として、附属機関が諮問を待たずに自発的に意見を述べる建議や意見具申があり、答申とは区別される。
答申の法的性質と尊重義務
答申は行政庁を法的に拘束しない助言であり、最終的な決定権は諮問した行政庁に残る。もっとも、専門的・公正な審議の結論であるため、行政庁は答申を尊重するのが実務上の原則であり、答申と異なる決定をするときは理由を明らかにする必要がある。とりわけ個別法が必置の諮問を定める場面(都市計画決定における都市計画審議会、開発許可をめぐる開発審査会など)では、答申を経ずに行った処分や答申を恣意的に無視した処分は、手続上の瑕疵として取消訴訟で争われうる。答申は通常、答申書という文書の形で提出され、決定の経緯と根拠を示す記録として情報公開請求の対象にもなる。
答申・建議・意見具申の区別
附属機関が行政庁に意思を表明する形式には、諮問に応じて返す答申のほか、諮問を待たずに自発的に意見を述べる建議、審議の過程で付随的に述べる意見具申がある。答申は行政庁の問い(諮問)に対する応答である点で受動的であり、これに対し建議は附属機関の側から能動的に発する点で性格が異なる。地方自治法第138条の4第3項に基づく附属機関の多くは答申を中心に活動するが、設置条例が建議権を明記している審議会もある。実務では、諮問事項の範囲を超えて附属機関が意見を述べる場合に、答申本体とは別に「付帯意見」「要望」として整理することが多い。
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