指定確認検査機関とは、建築基準法に基づき国土交通大臣または都道府県知事の指定を受け、建築確認・中間検査・完了検査を行う民間の機関である。1998年の法改正で建築主事の独占だった確認検査業務が民間に開放された。
建築確認の申請が行政の建築主事に集中すると、審査に時間がかかり着工が遅れる。指定確認検査機関は、行政が独占していた確認・検査の業務を民間にも担わせ、審査を迅速化するために1998年の建築基準法改正で導入された制度である。今では確認件数の大半を民間機関が処理している。
指定確認検査機関が交付する確認済証や検査済証は、建築主事が交付するものと同じ法的効力を持つ。建築主は行政と民間機関のどちらに確認を申請してもよく、業務範囲や手数料、審査の早さなどを比べて選ぶ。機関は指定を受けた業務区域内で、所定の建築物について確認・検査を行える。
ただし指定確認検査機関には行政処分の権限はない。違反建築物への是正命令や使用禁止命令は特定行政庁の専権であり、機関は確認の過程で違反を把握した場合に特定行政庁へ報告する立場にある。耐震偽装事件を機に検査の質や中立性をめぐる議論が起き、機関の業務の適正化が図られてきた。
民間開放の経緯と確認済証の効力
指定確認検査機関は、1998年(平成10年)の建築基準法改正により、それまで特定行政庁の建築主事が独占していた建築確認・検査業務を民間にも開放するために創設された(1999年5月施行)。指定はかつて建設大臣・都道府県知事が行ったが、現在は国土交通大臣または都道府県知事が指定する。指定を受けた機関が交付する確認済証・検査済証は建築主事の交付するものと同等の効力を持ち、建築主は特定行政庁と指定機関のどちらで確認を受けてもよい。導入後、確認件数の大半が民間機関で処理されるようになり、審査の迅速化が進んだ一方、後述の偽装事件を契機に審査の質と責任のあり方が問われることになった。
確認はできるが処分はできない
指定確認検査機関の権限は確認と検査に限られ、是正命令や使用禁止命令といった行政処分を行うことはできない。これらは特定行政庁にのみ認められた権限である。機関は確認・検査の過程で建築基準関係規定への不適合を発見した場合、その旨を特定行政庁に報告する義務を負う。確認の結果に対する審査請求は、機関ではなく当該機関を所管する区域の建築審査会に対して行う扱いとされ、処分性をめぐる救済も特定行政庁側に接続される。2005年に発覚した構造計算書偽装事件では機関の審査の見落としが問題となり、その後、検査体制の強化や機関・特定行政庁の責任分担に関する制度の見直しが行われた。
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