ジチテン

処分性

読み:しょぶんせい

意味

処分性とは、行政の行為が抗告訴訟(取消訴訟など)の対象となる「処分」に当たる性質のことである。行政事件訴訟法第3条第2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当するかを判断する、訴訟要件上の概念である。

行政の行為に不服があっても、それが裁判で取り消せる「処分」に当たらなければ、取消訴訟は入口で却下される。処分性は、ある行為が抗告訴訟の対象になるかどうかを分ける関門であり、その有無によって司法による救済の道が開くか閉じるかが決まる。

最高裁は、公権力の主体である国や公共団体の行為のうち、国民の権利義務を直接形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものを「処分」とする定式を示してきた。行政指導や内部的な通知のように相手の権利義務を直接左右しない行為は、原則として処分性が否定される。もっとも、医療法に基づく病院開設中止の勧告のように、形式は勧告でも後続の不利益と強く結びつく行為に処分性を認めた判例もあり、名称や形式ではなく実質的な法的効果で判断される。

処分性の判断基準(判例の定式)

行政事件訴訟法は取消訴訟の対象を「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(第3条第2項)と定めるが、何がこれに当たるかは条文に書かれておらず、判例の積み重ねで形づくられてきた。最高裁は、ゴミ焼却場の設置をめぐる事件(最判昭和39年)以来、処分を「公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているもの」と定式化している。判断の核は、公権力性(優越的な地位に基づく一方的な行為か)と、国民の権利義務への直接的・具体的な法的効果の有無の二点にある。

処分性が争われる場面

処分性は、行政指導・勧告・通達行政計画・通知など、典型的な許認可とは異なる行為で激しく争われる。医療法上の病院開設中止勧告は、従わなければ保険医療機関の指定を受けられない不利益に直結することから処分性が認められた(最判平成17年)。土地区画整理事業の事業計画決定についても、最高裁大法廷は従来の判例を変更して処分性を認めた(最大判平成20年)。処分性が認められれば取消訴訟や審査請求で争えるが、否定されれば当事者訴訟や民事訴訟など別の手段を選ぶことになる。処分性の判断は、こうして救済の方法そのものを左右する最初の分かれ道になる。

つながりのある用語

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