裁決とは、行政不服申立て(審査請求・再審査請求)に対して審査庁が行う最終的な判断のことであり、認容・棄却・却下の3種類がある。
行政処分に不服を申し立てても、誰かが最終的に白黒をつけなければ争いは終わらない。裁決は、審査請求などの行政不服申立てに対して審査庁が下す最終的な判断であり、認容・棄却・却下のいずれかで申立ての結論を確定させる点に意味がある。
行政不服審査法第43条は、審査庁が審理員意見書や行政不服審査会等の答申(諮問した場合)を踏まえて裁決を行うと定める。裁決は、処分の取消し・変更(認容)、申立ての退け(棄却)、形式的な不適法による却下のいずれかとなる。認容裁決では処分が取り消されまたは変更され、処分庁は裁決に拘束される(同法第52条)。裁決書は理由を付して書面で作成され(同法第50条)、審査請求人等に送達される。
裁決の効力
裁決には形成力(認容裁決で処分を取り消す効果)、拘束力(処分庁が同一の事由で同一の処分を繰り返せない)、不可変更力(確定後の審査庁が自ら変更できない)の各効力が生じる。認容裁決後も処分庁が同一事由で処分を繰り返した場合は、裁決の拘束力に違反した違法な処分となる。 裁決に不服がある者は、裁決を「裁決」として取消訴訟で争うことができる(行政事件訴訟法第3条第3項)。ただし原処分主義(同法第10条第2項)が適用される場合は、原処分の違法は原処分に係る取消訴訟で主張しなければならない。
採決との混同に注意
「採決」(さいけつ)は議会・委員会等が賛否を決定する議事用語であり、「裁決」(さいけつ)と同音異義語である。行政法上は「裁決」、議会用語としては「採決」と使い分けが必須であり、公文書・議事録作成の際には誤字に注意が必要である。法律上の文書では「裁決書」「裁決申立て」等の形で使用される。同音であるうえどちらも行政・議会の場で頻出するため、議事録や決裁文書の作成では文脈に応じた使い分けが要り、変換ミスがそのまま誤った公文書になりかねない点に注意が必要である。
ご意見箱(匿名で投稿できます)