地震とは、地下の岩盤が断層に沿って急激にずれ動くことで生じる揺れ、およびその現象をいう。自治体にとっては災害対策基本法・大規模地震対策特別措置法等に基づく防災対策・応急対応・復旧復興の主要な対象災害である。
地震は、地下に蓄積された歪みが断層運動によって一気に解放され、その振動が地震動として地表に伝わる自然現象である。自治体の防災にとっては、いつ起こるか予測が難しく、発生すれば広域・同時に甚大な被害をもたらすという点で、風水害とは性格を異にする最重要の災害である。市町村は地域防災計画に地震災害対策編を設け、建築物の耐震化、家具の固定や食料備蓄の啓発、避難所の指定、初動対応の訓練などを平時から進めておく必要がある。国の地震調査研究推進本部は活断層や海溝型地震の長期評価を公表し、想定される震源域ごとに発生確率を示しており、自治体はこれを踏まえて地震被害想定を作成する。南海トラフ地震や首都直下地震のように、被害が甚大で国を挙げた対策が必要なものは特別措置法によって対策推進地域の指定や計画策定が義務づけられている。緊急地震速報や被害想定は、発災直後の初動と住民避難を左右する実務上の前提となる。
地震動と被害——揺れがどう伝わり何を壊すか
地震そのもの(断層のずれ)と、それが生み出す地表の揺れ(地震動)は区別して扱われる。被害の程度は地震の規模を表すマグニチュードだけでなく、各地点での揺れの強さを表す震度、地盤の固さ、建物の固有周期などに左右される。固有周期の長い超高層建築物や石油タンクは、ゆっくりした大きな揺れである長周期地震動によって遠方でも大きく揺れることがあり、近年は長周期地震動階級も発表されている。自治体の被害想定では、震源・断層モデルから揺れの分布を推計し、建物倒壊・火災・人的被害・ライフライン被害などを見積もる。
自治体の地震対策——平時の備えと発災後の対応
地震対策は、予知が困難であることを前提に、被害を出さない・広げないための事前対策に重点が置かれる。住宅・公共建築物の耐震診断と耐震改修の促進、避難所・備蓄の整備、業務継続計画(BCP)の策定などが平時の柱である。発災後は、災害対策本部の設置、被害情報の収集、避難所の開設・運営、災害救助法に基づく応急救助、罹災証明書の発行と進み、復旧・復興へ移行する。南海トラフ地震・首都直下地震のように国家的影響が大きい地震については、特別措置法に基づく防災対策推進地域の指定や、推進計画・応急対策活動計画の策定が求められる。
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