発注見通しとは、国および地方公共団体等の発注機関が年度当初に当該年度に発注を予定する工事・業務の概要を事前に公表する制度であり、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第7条が公表を義務付けるものである。
入札契約適正化法(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)第7条は、国・都道府県・市区町村・独立行政法人等の特定発注機関に対して、毎年度当初に発注の見通しを公表することを義務付けている。発注見通しの公表により、受注を希望する建設業者や業務委託業者は発注機関の年間発注スケジュールを事前に把握し、技術者の配置計画・入札参加準備・設備の手配等を前もって行うことができる。発注者の立場からも、発注見通しを公表することで計画的・早期発注への内部的なコミットメントを形成し、年度末集中発注の是正に資する効果がある。発注見通しに掲載されていない案件が突発的に発注される場合もあり、あくまでも見通しであって確定した発注計画ではないため、変更・取り消しが生じることも念頭に置いた活用が前提となる。
公表内容と更新方法
公表内容は工事・業務の名称または種類、規模の概要、発注予定時期が基本事項とされる。年度当初(4月)に年間分を一括公表するほか、発注内容が確定した段階で随時更新・追加するケースも多い。公表媒体は各機関のウェブサイトが一般的であり、建設業者・コンサルタント業者はこの情報をもとに参加予定の入札を絞り込む。国土交通省が所管する工事については省のポータルサイトにまとめて掲載される仕組みが整備されている。発注機関が当初の見通しを変更する場合は改訂版を速やかに公表することで、業者が誤った情報をもとに準備を進めてしまうリスクを低減できる。
建設業者の受注計画への活用
中小建設業者にとって発注見通しは年間の受注計画の策定に直結する情報源である。特に一社あたりの受注可能件数に限りのある地方の専門工事業者は、発注機関ごとの発注見通しを参照して自社が対応可能な案件に集中して準備することで入札参加の実効性を高めることができる。建設業者が技術者を複数の案件に重複配置するリスクを避けるためにも、発注見通しに記載された発注時期の情報は配置計画を立てるうえで不可欠な参考情報となる。建設業者のみならず建設コンサルタント・測量・地質調査業者等も業務委託の発注見通しを参照して年間受注計画を策定しており、発注機関が丁寧に情報を更新することで業界全体の計画精度の向上に寄与する。発注見通しの公表状況は入札契約適正化指針に基づく毎年度の調査・公表の対象となっており、発注機関としての義務履行状況が確認される仕組みとなっている。
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