土壌汚染対策法とは、工場跡地等の土地における土壌汚染の状況を把握し、汚染による人の健康被害を防止するための措置を定めた法律であり、都道府県知事が調査命令・区域指定・措置命令を行う。
定義と概要
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)は特定有害物質(鉛・砒素・トリクロロエチレン等25物質)による土壌汚染の調査・汚染区域の指定・汚染除去等の措置・土地取引時の汚染情報の開示等を定める法律である。工場・ガソリンスタンド跡地・クリーニング工場跡地等の土地の用途廃止時や一定規模以上の土地の形質変更時に土壌汚染調査が義務付けられる。汚染土地の所有者・管理者は汚染除去等の措置を行う義務を負うが、汚染源事業者と土地所有者が異なる場合の費用負担が実務上の難問となる場合がある。
調査・指定・措置の流れ
土壌汚染対策法に基づく手続きの流れは概ね以下のとおりである。①調査義務の発生(工場閉鎖・土地の形質変更等)→②指定調査機関による土壌汚染調査の実施→③都道府県知事への報告→④汚染が確認された場合、知事が要措置区域(健康被害のおそれあり)または形質変更時要届出区域(健康被害のおそれは低いが管理が必要)に指定→⑤汚染除去・封じ込め等の措置の実施→⑥指定区域の解除。土地の売買・担保設定等に際して汚染区域の指定が重大な経済的影響を持つ。
市区町村の役割
土壌汚染対策法の主な権限は都道府県知事に帰属するが、市区町村は建設工事・宅地造成等の許認可において土地の汚染状況への留意・情報提供・都道府県への連絡調整等の役割を担う。廃棄物不法投棄跡地・農薬による農地汚染等、地元密着の問題への対応においては市区町村が住民や土地所有者への情報提供・相談窓口として機能することが地域の環境行政の実務として重要となる。都道府県との連絡体制の確立・汚染情報の共有が実務上の重要な課題となっている。
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