障害のある人もない人も、地域でともに暮らす社会をどうつくるか。障害者福祉は、その実現を支える支援の総称である。かつては施設で保護する発想が中心だったが、現在は、障害のある人が地域で自立し社会に参加することを支える方向へと考え方が転換している。
障害者総合支援法に基づき、ホームヘルプや生活介護、就労支援、グループホームといった障害福祉サービスが、市町村を実施主体として提供される。サービスの利用には、心身の状態に応じた障害支援区分の認定を経て、支給決定を受ける仕組みがとられる。あわせて、障害者差別解消法による不当な差別の禁止と合理的配慮の提供、社会的障壁の除去が進められ、サービスの給付と権利の保障とが車の両輪をなしている。
措置から契約へ、施設から地域へ
障害者福祉の考え方は、大きく二度の転換を経てきた。一つは、行政が利用先を決める「措置」から、利用者がサービスを選んで事業者と契約する「契約」への転換である。2003年の支援費制度を経て、2006年の障害者自立支援法、現在の障害者総合支援法へと制度が整えられ、利用者本位の仕組みへと移った。もう一つは、施設や病院で保護する発想から、障害のある人が住み慣れた地域で暮らす「地域移行」への転換である。グループホームや在宅サービスを整え、入所施設や精神科病院から地域生活への移行を進めることが、政策の基調となっている。市町村は、障害福祉計画を定めてサービスの基盤を計画的に整備する役割を担う。
サービスの給付と権利の保障
障害者福祉は、福祉サービスを給付する側面と、障害を理由とする不利益をなくす権利保障の側面とをあわせもつ。前者では、障害者総合支援法に基づき、介護給付・訓練等給付・地域生活支援事業などが用意され、市町村が支給決定を行う。障害支援区分の認定や、サービス等利用計画の作成(相談支援)を経て、一人ひとりの状態と希望に応じた支援が組み立てられる。後者では、障害者差別解消法が、行政や事業者による不当な差別的取扱いを禁じ、過重な負担にならない範囲での合理的配慮の提供を求める。バリアフリーや情報保障など社会的障壁を取り除く取組とあわせ、サービスと権利の両面から障害のある人の暮らしを支える。
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