支援費制度とは、2003年度に措置制度に代えて導入され、障害者が事業者と契約して福祉サービスを利用しその費用を市町村が支援費として支給した障害者福祉の利用方式をいう。
障害者福祉の利用方式がなぜ措置から契約へ転換したのか、その歴史的な転換点が支援費制度である。それまで障害者福祉サービスは、行政が利用の要否とサービス内容を決定する措置制度のもとで提供されていた。2003年度に施行された支援費制度は、これを利用者と事業者が対等に契約してサービスを選び、市町村がその費用を支援費として支給する仕組みへ改めた。利用者本位・自己選択を理念とする画期的な転換であったが、サービス利用が想定を超えて急増して財源が逼迫し、身体・知的障害が対象で精神障害が含まれないなどの制約も抱えた。このため支援費制度はわずか3年で見直され、2006年に障害者自立支援法による応益負担と三障害一元化の仕組みへ移行した。現在の障害者総合支援法に至る制度変遷の起点として、措置から契約への転換を最初に具体化した制度である。
措置から契約への転換
支援費制度は、障害者福祉における措置から契約への転換を最初に制度化したものである。措置制度では、行政が職権でサービスの要否と内容、利用する施設・事業者を決定し、利用者には選択の余地が乏しかった。2003年度に導入された支援費制度は、利用者が事業者と対等な立場で契約してサービスを選び、市町村が利用者に代わって費用を支援費として事業者へ支払う方式へ改めた。これは利用者本位・自己決定の尊重という社会福祉基礎構造改革の理念を障害者福祉に適用したものである。介護保険制度が2000年に同じ契約方式を高齢者福祉で先行導入しており、支援費制度はその流れを障害分野へ広げた位置づけにある。
短命に終わった原因と障害者自立支援法への移行
支援費制度は2003年度の施行からわずか3年で見直された。短命に終わった主な原因は、契約方式によりサービス利用が想定を大きく超えて伸び、利用者負担が応能負担であったこともあって財源が早期に逼迫したことである。加えて、対象が身体障害・知的障害に限られ精神障害が含まれない、サービス水準に地域間格差があるといった制度的な不備も指摘された。これらを是正するため、2006年に障害者自立支援法が施行され、三障害を一元化し、サービス量に応じた応益負担を原則とする仕組みへ移行した。同法はその後2013年に障害者総合支援法へと改められ、現在の障害福祉サービスの基本枠組みに至っている。支援費制度はこの一連の制度変遷の出発点を成す。
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