ジチテン

社会福祉基礎構造改革

読み:しゃかいふくしきそこうぞうかいかく

別名:措置から契約へ
意味

社会福祉基礎構造改革とは、行政がサービスを一方的に決める措置制度から、利用者が事業者と契約して選ぶ仕組みへと社会福祉の枠組みを転換した、2000年前後の一連の制度改革をいう。

福祉サービスを「行政が割り当てるもの」から「利用者が選ぶもの」へ——この転換の出発点が社会福祉基礎構造改革である。戦後の社会福祉は、行政が必要性を判断してサービスを決定する措置制度を基本としてきたが、利用者の選択権が乏しく、サービスの画一化や事業者間の競争の欠如が課題とされた。2000年の介護保険制度の施行、同年の社会福祉事業法から社会福祉法への改正、2003年の障害者支援費制度の導入が、この改革の中核をなす。改革により、利用者はサービスを選び事業者と契約する立場となり、その代わりに利用者負担や情報提供・苦情解決・権利擁護の仕組みが整えられた。「措置から契約へ」という言葉でこの転換を指すことが多く、現在の介護・障害福祉サービスの制度設計を理解する出発点となっている。

措置から契約への転換が変えたもの

社会福祉基礎構造改革の核心は、サービスの利用関係を措置から契約へ移したことにある。措置制度では、行政が職権でサービスの要否と内容を決定し、利用者はその対象として位置づけられ、選択の余地が乏しかった。改革後は、利用者が事業者と対等な立場で契約を結びサービスを選ぶ仕組みとなり、介護保険・障害者支援費制度がその受け皿となった。これに伴い、利用者が適切に選べるよう事業者の情報公表、サービスの質の評価、苦情解決の仕組みが導入された。一方で、契約に基づく利用にはサービス費用の利用者負担が伴い、自ら判断・契約できない人への権利擁護(成年後見制度日常生活自立支援事業)の重要性が高まった。なお養護老人ホームなど一部には措置の仕組みが残されている。

改革を構成した法制度

社会福祉基礎構造改革は単一の法律ではなく、複数の制度改正の総体である。2000年に施行された介護保険制度は、高齢者福祉を措置から保険による契約利用へ転換する象徴的な改革であった。同じ2000年には社会福祉事業法が社会福祉法へと改正され、利用者の利益の保護、地域福祉の推進、苦情解決などが法の目的に位置づけられた。障害分野では2003年に支援費制度が導入され、2006年の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)へとつながった。これらの改革を貫く理念が、利用者本位・自己決定の尊重と、福祉サービス利用の契約化である。現在の介護・障害福祉の制度を理解するうえで、この一連の改革が共通の起点となる。

つながりのある用語

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