ジチテン

予算科目

読み:よさんかもく

意味

予算科目とは、予算を性質や目的に従って分類・整理するための区分の単位である。地方自治法第216条は歳入歳出予算を款・項に区分すると定め、執行上の区分として目・節が政令・省令で設けられ、これらの款・項・目・節を総称して予算科目という。

予算が「いくら使う」という総額だけでは、その金がどの目的にどう使われるのかを議会も住民も追えない。予算科目は、予算を分類・整理するための区分の単位であり、歳入歳出予算をという段階に分けて、目的と内容を体系的に示す。

議会が議決によって縛るのは款・項のレベル(議決科目)で、目・節はその内訳を示す執行科目として首長が定める。この違いは実務に直結する。たとえば流用が款をまたげず補正予算を要する一方、項の間や目・節の間では一定の範囲で首長や執行責任者の判断で行えるのは、款・項が議会の議決で固められた区分だからである。

款・項・目・節の4段階

予算科目は4つの段階からなる。款は最も大きな区分で、歳出では民生費土木費などの目的別の大分類、歳入では地方税地方交付税などの性質別の大分類にあたる。項は款を細分した区分、目は項をさらに事業や組織の単位で分けた区分である。最小単位の節は経費の性質による区分で、報酬、給料、旅費、需用費などの種類ごとに、総務省令(地方自治法施行規則)で標準的な区分が定められている。歳出予算は、目的に従って款・項に大別したうえで、性質に従った節まで落とし込んで編成される。

議決科目と執行科目

地方自治法第216条が議会の議決の対象としているのは款・項であり、これを議決科目という。目・節は予算の執行上の内訳を示す執行科目で、首長が予算で定める。両者の違いは予算の弾力的運用に直結する。款の間で経費を移す流用はできず補正予算を要するのに対し、項の間の流用は首長の権限で、目・節の間の調整は財務規則の範囲で執行責任者が行えるのが一般的である。議決科目の枠は議会が固めた財政統制の単位であり、執行科目はその内側での裁量の余地を表す。

目的別と性質別という分類軸

予算科目による積み上げは主に目的別の分類だが、最小単位の節は性質別の区分である。この目的別と性質別という二つの軸は、決算の分析でも用いられ、目的別歳出(民生費・土木費など何のために使ったか)と性質別歳出(人件費・物件費など何に使ったか)として集計される。同じ歳出を異なる軸から捉えることで、予算科目は編成の単位であると同時に、財政を多面的に読み解くための座標としても機能する。総務省が公表する決算カードや財政状況資料集も、この目的別・性質別の区分に沿って各団体の歳出を整理しており、予算科目の理解は予算編成だけでなく決算の読解にも直結する。

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