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ジチテン

国土地理院

読み:こくどちりいん

別名:地理院
意味

国土地理院とは、国土交通省設置法に基づき国土交通省に置かれる特別の機関であり、測量法に基づく基本測量の実施、地図・地理空間情報の整備と提供、公共測量の指導調整を所掌する国の測量行政の中核機関である。

都市計画図や施設台帳の背景に使う基盤地図情報は、誰がどの根拠で整備し、無償で提供しているのか。国土地理院は測量法に基づいて全国の位置の基準となる基本測量を実施し、三角点・水準点・電子基準点の基準点網と電子国土基本図を整備する機関で、茨城県つくば市に本院、全国に地方測量部等を置く。自治体との接点は測量行政に集中しており、地籍調査道路台帳整備で公共測量を実施する自治体は、実施計画書を国土地理院の長に提出して技術的助言を求め、完了後は測量成果の写しを提出する。地理空間情報活用推進基本法の下では基盤地図情報の整備主体とされ、ウェブ地図「地理院地図」とあわせて、自治体のGISハザードマップオープンデータ整備の土台を無償で提供している。災害時には空中写真の緊急撮影や浸水推定図の公開で被災自治体の状況把握を支えるため、防災部門にとっても無縁の機関ではない。組織上は国家行政組織法第8条の3の「特別の機関」に当たり、内部部局でも外局でもない位置づけを持つ。

測量成果の複製・使用承認——地図を「使う側」の手続

自治体が国土地理院の地図や基準点を業務で使うときには、測量法上の手続が要る場面がある。基本測量の測量成果(地形図、基準点成果等)を複製して刊行物や図面に取り込む場合は測量法第29条の複製承認、測量成果を使用して新たな測量や地図の調製を行う場合は第30条の使用承認の対象となり、国土地理院長の承認を受ける。地理院地図の画面を広報資料に載せる、都市計画図の基図に電子国土基本図を使うといった日常的な利用が該当しうるため、出典明示だけで足りる場合と承認申請が要る場合の線引きを、国土地理院が公開する利用規約で確認しておく必要がある。承認申請はオンラインで提出でき、三角点や電子基準点といった測量標を使用する測量では、別途、測量標の使用承認の手続をとる。

災害時の地理空間情報——罹災証明と復旧を支える緊急整備

大規模災害時の国土地理院は、被災地の空中写真を緊急撮影して正射画像を公開し、浸水範囲の推定図や斜面崩壊の判読図を発災後数日のうちに提供する。市町村にとっては、罹災証明書の発行に先立つ被害認定調査で浸水深を裏付ける客観資料になり、応急復旧の優先箇所の選定にも使える一次情報である。また、全国の電子基準点網は地殻変動を常時観測しており、大地震で地盤が大きく動いた地域では基準点成果の公表停止と改定が行われる。東日本大震災では東北地方を中心に成果の改定が実施され、その後の地籍調査や公共測量は改定後の成果に基づいて進められた。地図と位置の基準を国が一元的に維持しているからこそ、災害後の測量、登記、復旧事業が同じ座標系で再開できる。

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