公共測量とは、測量法第5条に定める、基本測量以外の測量のうち実施に要する費用の全部または一部を国や公共団体が負担・補助して行う測量である。局地的な測量や高い精度を要しない測量は除かれる。道路台帳の整備や土地区画整理に伴う測量など、自治体が発注する本格的な測量が広く該当する。
道路台帳整備の測量を委託しようとしたら、国土地理院への手続が要ると指摘された——発注仕様を固める段階でこれを知らないと、契約後に工程が止まる。測量法は、国土地理院が行う基本測量を頂点に、公費で実施する一定規模の測量を公共測量として規律し、精度の確保と成果の共用を義務づけている。自治体が計画機関として公共測量を実施するには、作業規程を定めて国土交通大臣の承認を受け(実務では国の「作業規程の準則」を採用する例が大半)、あらかじめ実施計画書を国土地理院の長に提出して技術的助言を求める。完了後は測量成果の写しを提出し、成果は他の機関の測量の基礎として再利用される。手続の名宛人は受託業者ではなく発注者である自治体自身という点が誤解されやすく、道路、用地、区画整理など測量を発注する部署が制度の存在を知っているかどうかで、手戻りの有無が決まる。
「公共測量に当たるか」の判定が最初の関門
測量法第5条の定義は費用負担に着目しており、国・公共団体が費用を負担または補助する測量は、補助事業として民間が実施するものも含めて公共測量になり得る。除外されるのは小道路・建物のために局地的に行う測量や高い精度を必要としない測量で、敷地単独の現況測量程度なら該当しないが、基準点を設置する測量、道路台帳・下水道台帳の図面整備、土地区画整理の確定測量といった案件は典型的に該当する。該当すれば、作業規程に基づく作業(第33条)、実施計画書の提出と国土地理院の長への技術的助言の請求(第36条)、測量成果の写しの提出(第40条)が発注者側の義務として発生する。判定に迷う案件は国土地理院の地方測量部に照会するのが実務の定石で、受託業者任せにして手続が漏れると、成果の公的な位置づけを欠いたまま納品だけが残ることになる。
精度の連鎖——成果を次の測量につなぐ仕組み
測量法が手続を課す目的は、測量の重複を避け、成果を社会全体で使い回すことにある。公共測量は国土地理院の基本測量の成果(三角点・電子基準点などの基準点)に基づいて実施しなければならず、基本測量や他の公共測量の成果を使うときはそれぞれ承認を得る仕組みになっている。こうして位置の基準が一本の鎖でつながるため、ある市が設置した基準点を後年の下水道工事や地籍調査が利用でき、測量のやり直しという無駄が省ける。成果の写しが国土地理院に集約されることで、どこにどの精度の基準点・地図があるかを全国規模で検索できることも、この連鎖の効用である。発注者の目線では、納品される成果が「次の誰かの基礎」になる公共財だという理解が、検定の要否や成果品の仕様を決める際の判断軸になる。
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