ジチテン

採用

読み:さいよう

意味

採用とは、地方公務員法第17条に基づく任用の形態の一つであり、職員以外の者を新たに職員の職に就ける行為をいう。

欠員が生じた職に外部から人を充てるとき、それは採用なのか、それとも昇任転任なのか。任用の入口を画する区分が、競争試験条件付採用といった一連の手続を呼び込む起点になる。採用は、すでに職員である者を別の職へ動かす昇任・降任・転任とは異なり、新たに職員の身分を発生させる点に本質がある。地方公務員法は採用を競争試験又は選考によることとし(第17条の2)、能力の実証を経た採用候補者名簿からの決定を原則とする。採用された職員は原則として6か月の条件付採用期間を経て正式採用となり、この間は身分保障が及ばない。会計年度任用職員臨時的任用も採用の一形態であり、常勤職員の採用とは手続や任期の扱いが分かれる。

採用が成績主義と結びつく理由

採用は、地方公務員法第15条の成績主義(メリットシステム)が最も直接に働く場面である。職員でない者を職に就ける行為であるため、情実や政治的関係による任用を排し、受験成績その他の能力の実証に基づいて行うべきとする原則が採用方法そのものを規律する。具体的には第17条の2が、職員の採用は競争試験によることを原則とし、人事委員会規則等で定める場合に競争試験以外の選考によることができると定める。採用候補者名簿の作成、名簿からの提示、任命権者による決定という流れも、恣意を排して能力本位の選抜を担保する仕組みである。したがって採用の各手続は、単なる事務手順ではなく成績主義を制度として具体化したものと理解される。

条件付採用との関係

採用された職員は、地方公務員法第22条により、原則として採用の日から6か月間は条件付採用となる。この期間は実際の職務に就かせて適格性を実証させる試用の趣旨をもち、良好な成績で職務を遂行したときに正式採用へ移行する。条件付採用期間中の職員には、分限・懲戒に関する規定の一部が適用されず、正式採用の職員に保障される身分保障が及ばない点が大きく異なる。すなわち、勤務実績が良くない場合などには、正式採用職員より緩やかな手続で免職等の措置を採りうる。採用は身分の発生をもたらす一方で、その身分が直ちに完全な保障を伴うわけではなく、条件付採用という猶予期間を経て確定する構造になっている。

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