環境審議会とは、環境基本法に基づき、条例で定めるところにより都道府県や市町村に置かれ、環境の保全に関する基本的事項を調査審議する附属機関である。
環境基本計画の策定や改定を、行政の独断ではなく専門家と住民の目を通して決める。その装置が環境審議会である。環境基本法は第43条で都道府県に審議会その他の合議制機関を置くものとし、第44条で市町村にも置くことができると定める。都道府県では必置、市町村では任意という建付けだが、環境基本条例を持つ市の大半が条例で設置している。委員は大気、水、生態系などの学識経験者に加え、事業者団体や公募の住民で構成され、環境基本計画のほか地球温暖化対策実行計画や生物多様性地域戦略の審議、環境施策の年次報告の点検が主な仕事になる。庶務を担う環境部局にとっては、諮問のタイミングと答申までの会議日程が計画改定スケジュールの背骨であり、審議会運営そのものが計画行政の一部である。
公害対策審議会から引き継いだ系譜
都道府県の環境審議会は、公害対策基本法が必置としていた都道府県公害対策審議会を、1993年制定の環境基本法が衣替えしたものである。国レベルで中央公害対策審議会などが中央環境審議会に再編されたのと対をなす。このため審議事項には、公害防止計画や規制基準のような公害行政由来の項目と、温暖化、生物多様性、循環型社会のような環境基本法以降の項目が同居しており、大気部会、水環境部会、自然環境部会といった部会方式で専門分野を分担する例が多い。名称も環境審議会、環境保全審議会、環境政策審議会と団体ごとにまちまちで、設置条例が定数、任期、部会構成を定める。
小規模市町村での現実解
市町村の設置は任意であるため、規模の小さい町村では環境審議会を単独で持たず、廃棄物減量等推進審議会や総合計画審議会に環境分野の審議を相乗りさせる運用も見られる。単独で設置していても、諮問案件が環境基本計画の改定期にしか発生せず、委員の任期中に一度も実質審議がない「休眠審議会」化が起きやすい。一方で、太陽光発電所の立地紛争や産業廃棄物処理施設への住民反対のような個別案件で、第三者の場として意見を求められる場面もあり、付議事項を条例でどこまで広く書いておくかが、いざというときに使える機関かどうかを分ける。
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