ジチテン

諮問

読み:しもん

意味

諮問とは、行政庁が特定の事項について審議会その他の附属機関や有識者に意見を求める行為をいう。

ある処分や計画、条例案を決める前に、なぜ外部の合議体へ意見を求める手続が要るのか。専門性の確保と判断の公正・透明を担保するためであり、自治体では地方自治法第138条の4第3項に基づき条例で設置した附属機関に意見を求める場面で多用される。諮問は行政庁が問いを発する側の行為で、これに対し附属機関が審議を経て返す回答が答申である。法令が「審議会の意見を聴かなければならない」と定める必置の諮問(都市計画審議会への付議開発審査会への諮問など)と、行政庁が任意に意見を求める諮問がある。必置諮問を欠いた処分は手続上の瑕疵を問われ、取消事由になりうる。行政不服審査法では、審理員意見書を受けた審査庁裁決前に行政不服審査会へ諮問する仕組みが置かれ、第三者機関の関与で裁決の客観性を高めている。

必置の諮問と任意の諮問

諮問には、個別法が「○○審議会の議を経て」「○○の意見を聴いて」と定める必置の諮問と、行政庁が判断の材料として任意に行う諮問がある。必置の諮問は手続要件であり、これを欠いて行った処分は手続違反として取り消されうる。都市計画決定における都市計画審議会への付議、建築確認に関わる建築審査会の同意、開発許可をめぐる開発審査会の議決などが代表例で、いずれも条文上の必須手続として組み込まれている。これに対し任意の諮問は、政策形成の質を高めるために行政庁が自らの判断で附属機関や有識者会議に意見を求めるもので、答申に法的拘束力はないが、答申と異なる決定をする場合には合理的な理由の説明が事実上求められる。

行政不服審査法における諮問

2014年全部改正後の行政不服審査法は、裁決の客観性を確保するため、審理員意見書の提出を受けた審査庁が原則として裁決前に行政不服審査会等の第三者機関へ諮問する仕組みを設けた。地方公共団体では条例に基づき設置した自治体の行政不服審査会がこれを担う。審査庁は審査会の答申を尊重して裁決を行い、答申と異なる裁決をするときはその理由を裁決書に記載する。審査請求人が諮問を希望しない場合や、審理員意見書どおりに全部認容する場合など、諮問を要しない例外も法定されている。

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