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ジチテン

施工時期の平準化

読み:せこうじきのへいじゅんか

意味

施工時期の平準化とは、公共工事の施工が年度末などの特定の時期に集中しないよう、発注時期や工期を年度の枠にとらわれず分散させる発注者の取組である。2019年改正の公共工事の品質確保の促進に関する法律が、第7条第1項の発注者の責務として明記した。

自治体の工事現場は4月から6月にはあまり動かず、年度末に完成検査が押し寄せる——単年度予算の下で当初予算の成立を待って設計・入札を進めると、着工は夏以降になり、完成期限は年度末に集中するからである。この偏りは受注者の側に深刻な歪みを生む。閑散期には技能労働者の仕事と収入が途切れ、繁忙期には人も機材も足りず、休日の確保も品質管理も苦しくなる。施工時期の平準化は、この山谷を発注者の工夫で均す取組であり、手段の柱は、債務負担行為繰越明許費で年度の壁をまたぐ工期を設定すること、余裕期間制度で着手時期に幅を持たせること、発注見通しを早期に公表して計画的に発注することにある。国土交通省総務省は毎年度、地方公共団体へ平準化の取組を要請し、4月から6月の稼働状況を示す平準化率の見える化で進み具合を比較できるようにしている。

年度末集中の構造——会計年度独立の原則との緊張

集中の根は制度の側にある。地方自治法第208条の会計年度独立の原則の下、歳出予算は年度内に執行するのが原則で、4月に予算が成立してから積算・設計・入札手続を経ると、着工は早くて夏、工期数か月の工事は自然と年度末納期に揃う。繰越しが例外手続と扱われてきたことも、無理にでも年度内完成へ押し込む運用を長く支えた。受注側では、年間で均せば手持ち工事量に見合う人員でも、繁忙期基準で技能労働者を抱えれば閑散期に仕事が切れ、閑散期基準なら繁忙期に外注へ頼ることになり、どちらに振れても担い手の処遇と施工品質が削られる。週休2日工事の推進も繁忙期には実効性を失うため、平準化は働き方改革と品質確保の前提条件として位置づけ直された。

平準化の道具立て——「さしすせそ」と平準化率

国土交通省は先進団体の手法を「さしすせそ」と呼んで横展開している。債務負担行為の活用(さ)、柔軟な工期の設定(し)、速やかな繰越手続(す)、積算の前倒し(せ)、早期執行のための目標設定(そ)の5つで、なかでも当該年度の支出をゼロとして年度内に契約だけ済ませ、翌年度の早い時期に着工させるゼロ債務負担行為(ゼロ市債・ゼロ県債と呼ばれる)は、閑散期の4月から6月に現場を動かす即効性の高い手法とされる。進み具合は平準化率——4月から6月に稼働する工事の月平均件数を年度全体の月平均で割った値——で測られ、国土交通省と総務省が市区町村別の値の見える化を進める。値の低い団体は、債務負担行為の設定実績や発注見通しの公表状況から自らの運用を点検するのが定石である。

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