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ジチテン

労働基準法

読み:ろうどうきじゅんほう

別名:労基法
意味

労働基準法(労基法)とは、労働時間や休日、賃金の支払、年次有給休暇など労働条件の最低基準を定める法律である(昭和22年法律第49号)。地方公務員にも原則として適用され、地方公務員法第58条が一部規定の適用除外と読替えを定める。

「公務員に労働基準法は関係ない」という通念は、地方公務員には当てはまらない。労基法の適用を除外されているのは国家公務員一般職)であり(国家公務員法附則第6条)、地方公務員は原則として労基法の適用を受ける労働者で、休憩や年次有給休暇時間外労働の割増賃金といった規定は市役所の職場にもそのまま生きている。地方公務員法第58条は、このうち勤務条件条例主義となじまない部分――就業規則災害補償の章、労使協定を前提とするフレックスタイム制など――だけを抜き出して適用除外・読替えとする作りで、「全部適用が原則、除外が例外」という設計を読み違えると勤務時間や服務の制度設計を誤る。条例で勤務時間を定める場合も、その内容が労基法の最低基準を下回れば違法になる。本法が地方公務員制度の土台にどう敷かれているかは、人事担当に限らず時間外勤務命令を出すすべての所属長に関わる知識である。

適用除外の読み方――条例主義と衝突する規定だけが抜かれている

地方公務員法第58条第3項が適用除外とするのは、労使対等決定を掲げる労基法第2条、フレックスタイム制(第32条の3から第32条の5まで)、裁量労働制(第38条の3・第38条の4)、そして第75条から第93条まで(災害補償と就業規則の章)などである。除外には一貫した理屈がある。災害補償は地方公務員災害補償法と条例が、就業規則は条例・規則が代替し、事業場ごとの労使協定を前提とする柔軟な労働時間制度は、勤務条件を議会の条例で定める勤務条件条例主義と整合しないから外されている。第58条第4項の読替えにより、1か月単位の変形労働時間制は労使協定でなく条例ベースで実施でき、一斉休憩の例外も「条例に特別の定めがある場合」に置き換わる。民間の働き方改革のメニューがそのまま輸入できるわけではなく、交替制勤務や宿日直の制度設計は読替え後の条文で考えることになる。

36協定が要る職場・要らない職場――別表第一と監督機関の分かれ目

本庁の事務職場で時間外勤務命令に36協定が要らないのは、労基法第33条第3項が「公務のために臨時の必要がある場合」に、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く)に従事する地方公務員の時間外・休日労働を認めているからである。一方、別表第一の第1号から第10号まで・第13号から第15号までの事業――病院や清掃工場、交通局など――に従事する職場は民間と同じく36協定の締結・届出をしなければ時間外労働を命じられない。監督機関も二元化されており、これらの事業の職場は労働基準監督署、それ以外は人事委員会(置かない団体では長)が労基署の職権を行使する(地方公務員法第58条第5項)。公立病院に労基署の是正勧告が入るのはこの構造による。自分の所属がどちら側かは、団体単位でなく事業単位で判定する。

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