国家公務員とは、国の機関に勤務し、国の事務に従事する公務員である。地方公共団体に勤務する地方公務員と対をなし、国家公務員法によって任用・服務・身分が規律される。
国家公務員は、府省庁の職員や外交官、自衛官などを含み、その身分や勤務関係は国家公務員法に基づく。職は、採用試験や選考を経て任用される一般職と、内閣総理大臣・国務大臣・裁判官・国会職員のように政治的任命や特別の根拠により就く特別職に分かれ、国家公務員法が直接適用されるのは原則として一般職である。自治体職員である地方公務員との違いは、勤務先が国の機関である点に加え、人事行政を担う機関が人事院(地方では人事委員会・公平委員会)である点や、給与体系・定員管理の根拠法令が異なる点にある。両者は労働基本権が制約され、政治的行為が制限される点では共通するが、制限の範囲や根拠規定は別の法律による。国と自治体の人事交流(出向)では、身分の切替えや併任の扱いが実務上の論点となる。
一般職と特別職
国家公務員は一般職と特別職に大別される。一般職は、競争試験または選考によって採用され、国家公務員法が全面的に適用される職である。特別職は、内閣総理大臣・国務大臣・副大臣・大臣政務官などの政治職、裁判官や国会職員、自衛官などで、政治的任命や職務の特殊性から国家公務員法の適用が除外または限定される。地方公務員も同様に一般職と特別職に分かれるが、その区分は地方公務員法による。どの職がどちらに属するかは、それぞれの法律が個別に列挙して定めている。
人事行政機関と勤務条件
国家公務員の人事行政は人事院が担い、給与勧告や任用・分限・懲戒の基準、研修などを所管する。これは、労働基本権が制約される代償として、中立的な第三者機関が勤務条件を保障する仕組みである。地方公務員では、都道府県・指定都市等に置かれる人事委員会、その他の市町村に置かれる公平委員会がこれに対応する。国家公務員と地方公務員は、争議行為の禁止や政治的行為の制限を受ける点で共通するが、政治的行為の制限は国家公務員が人事院規則で広く定められるのに対し、地方公務員は地方公務員法と条例によるなど、根拠と範囲が異なる。
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