ジチテン

勤務条件

読み:きんむじょうけん

意味

勤務条件とは、給与・勤務時間・休日・休暇・分限・懲戒など、職員が地方公共団体に勤務するうえでの勤務の諸条件をいう。

職員団体との交渉や措置要求の場面で、何が交渉・要求の対象になり何がならないのかを分ける基準が勤務条件である。勤務条件は、給与・諸手当・勤務時間・休憩・休日・休暇といった勤務の対価と時間に関わる事項に加え、分限・懲戒福利厚生公務災害補償など、職員の身分や待遇に関わる事項を広く含む。地方公務員法はこの勤務条件について、条例で定めること(勤務条件条例主義)、社会一般の情勢に適応させること(情勢適応の原則)を求め、職員には人事委員会公平委員会へ改善を求める措置要求の道を、職員団体には当局と交渉する権利を保障する。一方で、組織の編成・定員管理・事務の進め方といった当局が自らの判断で決すべき管理運営事項は勤務条件に含まれず、交渉や措置要求の対象から外れる。実務では、ある事案が勤務条件に当たるか管理運営事項に当たるかの線引きが、交渉に応ずべきか否かを左右する論点になる。

勤務条件の範囲と管理運営事項との境界

地方公務員法は勤務条件そのものを定義せず、給与・勤務時間その他の勤務条件という形で繰り返し用いる。実務上の範囲は、給料・手当などの給与、勤務時間・休憩・週休日・休日・休暇、安全衛生、災害補償、分限・懲戒の基準、福利厚生など、職員の待遇と身分に関わる事項に広く及ぶと解される。これに対し、組織や定員の決定、事務分掌、行政の企画・立案・執行の方法といった、当局が自らの責任で決すべき事項は管理運営事項と呼ばれ、勤務条件には含まれない。両者の区別は、団体交渉の対象(地方公務員法第55条第3項は管理運営事項を交渉対象から除く)や措置要求の対象を画する基準として働き、ある事案がどちらに属するかが労使の争点になりやすい。

勤務条件を規律する三つの原則と争いの是正手段

勤務条件の決定と運用には、地方公務員法が定める原則が重なって働く。第一に勤務条件条例主義(第24条第5項ほか)により、勤務条件は任命権者の裁量や内部の取り決めではなく住民代表である議会の議決した条例に根拠づけられる。第二に情勢適応の原則(第14条)により、当局は勤務条件を社会一般の情勢に適応させる随時の措置を講ずる責務を負い、人事委員会はそのための勧告を行う。第三に、労働基本権が制約される代償として、職員は勤務条件に関する措置要求(第46条)を人事委員会・公平委員会へ行うことができ、職員団体は勤務条件について当局と交渉できる。これらは、勤務条件を一方的な決定から守り、社会情勢に合わせて維持・改善するための仕組みとして連動している。

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