災害補償とは、職員が公務上または通勤により負傷し、疾病や障害を負い、あるいは死亡した場合に、その損害を補填するため法律に基づき行われる補償をいう。
職員が公務中にけがをしたとき、治療費や休業中の給与はどう補償されるのか。災害補償は、職員の公務上の災害(公務災害)や通勤による災害(通勤災害)について、使用者の過失の有無を問わず損害を補填する無過失責任の制度である。地方公務員については地方公務員災害補償法に基づき、地方公務員災害補償基金が認定・補償を行う仕組みが設けられている。補償の種類は、療養を保障する療養補償、休業期間の所得を補う休業補償、後遺障害に対する障害補償、死亡した職員の遺族への遺族補償といった複数の給付からなる。民間労働者の労働者災害補償保険(労災保険)に相当する制度で、公務に起因することの認定(公務上外の認定)が補償の前提となるため、認定をめぐる判断が実務の中心的な論点となる。
無過失責任と公務上外の認定
災害補償は、使用者の故意・過失を要件とせず、災害が公務に起因すること(または通勤によること)が認められれば補償を行う無過失責任の制度である。地方公務員では地方公務員災害補償法に基づき、独立した実施機関である地方公務員災害補償基金が補償を担う。補償の出発点は公務上外の認定であり、負傷・疾病が公務遂行性(使用者の支配下での出来事か)と公務起因性(公務と災害との相当因果関係があるか)を満たすかを審査する。過労による脳・心臓疾患や精神疾患など、災害発生の時点が明確でない事案では認定の判断が難しく、基金支部の決定に不服があれば審査請求・再審査請求を経て争うことができる。
補償の種類と関連制度
補償は、療養に要する費用を支給する療養補償、療養のため勤務できない期間の所得を補う休業補償、傷病が一定期間後も治らない場合の傷病補償年金、後遺障害の程度に応じた障害補償、死亡した職員の遺族に対する遺族補償、葬祭に要する費用の葬祭補償などからなる。地方公務員に労働者災害補償保険法は適用されず、民間の労災保険に対応する役割をこの制度が担う。災害補償は職員に対する金銭的な補填であるのに対し、使用者が職員の生命・健康を危険から保護する安全配慮義務は災害そのものを未然に防ぐ義務であり、両者は損害の事前防止と事後補填という別の局面で職員を保護する。
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