ジチテン

勤務条件条例主義

読み:きんむじょうけんじょうれいしゅぎ

意味

勤務条件条例主義とは、地方公務員法第24条第5項に基づき、職員の給与・勤務時間その他の勤務条件を条例で定めなければならないとする原則である。

職員の勤務時間や休暇は誰がどうやって決めるのか、という問いに法が用意した答えが勤務条件条例主義である。勤務条件条例主義は、勤務条件の決定を任命権者の裁量や内部の取り決めに委ねず、住民代表である議会の議決を経た条例に根拠づけることを求める原則である。

地方公務員法第24条第5項は、職員の給与・勤務時間その他の勤務条件は条例で定めると規定する。給与に着目した給与条例主義はこの原則の一部であり、勤務条件条例主義はそれを勤務時間・休日・休暇など勤務条件全般へ広げたものといえる。勤務条件は住民の税金を原資とする支出に直結するため、その決定を議会の統制下に置くことで財政民主主義と公正さを担保する。

実務では、勤務時間条例・特別休暇に関する条例・勤務条件に係る各種条例が根拠規定となり、それを受けて規則要綱が細目を定める。条例に根拠を持たない勤務条件の設定や運用は許されず、職員が勤務条件に不満を持つ場合は、条例の枠内で人事委員会等への措置要求という形で是正を求める道が開かれている。

給与条例主義との関係

勤務条件条例主義と給与条例主義は、上位概念とその一部という関係にある。地方公務員法第24条第5項が「給与、勤務時間その他の勤務条件」を条例で定めると一括して規定しており、給与条例主義はこのうち給与に着目した呼称、勤務条件条例主義は勤務条件全般を条例事項とする原則として用いられる。両者を分けて語るのは、給与が職員の生活と人件費という財政負担に直結し、給料表手当の額まで条例で厳密に定める必要があることから、給与の部分が特に強調されてきた経緯による。実務では、給与に関する事項は給与条例に、勤務時間・休日・休暇に関する事項は勤務時間条例や休暇条例にと、条例を分けて定めるのが通例である。

措置要求・労働基本権制限との関係

勤務条件条例主義は、職員の労働基本権が制限されていることと対で理解する必要がある。民間労働者は労働協約により勤務条件を労使交渉で決められるが、地方公務員は争議行為が禁止され、団体協約締結権も制限されている。その代償として、勤務条件は議会の議決を経た条例で公正に定められ、職員はそれに不満があれば人事委員会又は公平委員会に対し勤務条件に関する措置要求を行える仕組みが置かれている。勤務条件条例主義は、勤務条件を労使の力関係ではなく住民代表の統制下に置く原則であり、措置要求の制度と一体で、制限された労働基本権を補う代償措置の柱を構成している。

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