日本赤十字社とは、日本赤十字社法(昭和27年法律第305号)に基づき設立され、赤十字に関する諸条約と赤十字の諸原則に基づいて救護・救援活動、血液事業、医療事業を行う認可法人である。
大規模災害のたびに義援金の振込先として名前が挙がり、都道府県の救護計画には救護班の派遣元として登場する。日本赤十字社はジュネーブ諸条約に基づく救護団体としての性格を持ち、全国47都道府県に支部を置く。支部長は知事が務める例がほとんどで、事務局にも自治体職員が派遣されるなど、都道府県の防災・福祉行政と人的に深く結びついている。災害救助法は日本赤十字社に救助への協力義務を課し、都道府県知事は医療、助産といった救助の実施を日赤に委託できる。災害対策基本法と国民保護法では指定公共機関に指定され、防災業務計画の作成と都道府県地域防災計画への参画が法令上の役割となる。市町村の窓口業務でも、義援金の受付や、赤十字奉仕団・自治会を経由した活動資金(社資)の募集協力といった接点が日常的に生じる。生活保護法上は都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人と並ぶ保護施設の設置主体でもあり、福祉行政の制度面にも顔を出す。
災害救助法の救護——知事の委託で動く救護班
災害救助法が適用されると、救助の実施責任は都道府県知事が負い、日本赤十字社はこれに協力する建て付けをとる。知事は医療や助産といった救助の実施を日赤に委託でき、各都道府県支部は医師や看護師等で編成する救護班をあらかじめ複数班備えて出動に応じる。委託に係る救護活動費は災害救助法の費用負担の枠組みで精算されるため、都道府県の防災部局は委託の手続や範囲をあらかじめ支部と協定で取り決めておくことになる。市町村にとっても、避難所での医療救護や毛布・緊急セット等の救援物資の配布で日赤の支部・分区と協働する場面があり、地域防災計画に日赤の役割を書き込むのが通例である。
義援金と社資——混同しやすい募金の弁別
住民から預かる「赤十字のお金」には性格の違う系統がある。第一に災害義援金で、日赤は中央共同募金会などと並ぶ受付窓口となり、集まった義援金は被災都道府県に設置される義援金配分委員会の決定で被災者に配分される。日赤自体の事業収入にはならない。第二に活動資金(社資)で、これは日赤の事業を支える会費・寄付であり、赤十字奉仕団や自治会を経由して募られることから、住民には共同募金(赤い羽根)と混同されやすい。第三の共同募金は社会福祉法に基づく別制度で、実施主体は共同募金会である。窓口で「どの募金か」を整理して案内できることが、寄附金控除の案内や苦情対応を誤らない実務知識になる。
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