保護施設とは、生活保護法第38条に定める施設の総称で、居宅で最低生活を維持できない要保護者を入所・通所させて保護を行う救護施設・更生施設・医療保護施設・授産施設・宿所提供施設の五種をいう。
居宅では生活保護を実施できない要保護者をどこで保護するのか、という問いに答えるのが保護施設である。生活保護は居宅での実施を原則とするが、障害や疾病、住居の喪失などにより居宅で最低生活を維持できない場合に、生活保護法第38条が定める保護施設へ入所または通所させて保護を行う。同条は保護施設を五種類に分け、それぞれ対象と目的を定める。設置できるのは都道府県・市町村・地方独立行政法人のほか、社会福祉法人と日本赤十字社に限られ、いずれも保護施設の経営は第一種社会福祉事業に位置づけられる。入所の決定は実施機関である福祉事務所が行い、本人の同意を前提とする。居宅保護と施設保護のいずれを選ぶかは、要保護者の状態と居宅で保護の目的を達せられるかによって判断される。
五種類の保護施設
生活保護法第38条は保護施設を五種類に区分する。救護施設は、身体上または精神上著しい障害があるため日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行う施設である。更生施設は、身体上または精神上の理由により養護および生活指導を要する要保護者を入所させる施設である。医療保護施設は、医療を必要とする要保護者に医療の給付を行う施設である。授産施設は、身体・精神上の理由や世帯の事情で就業能力の限られた要保護者に就労・技能習得の機会を与えて自立を助長する施設である。宿所提供施設は、住居のない要保護者の世帯に住宅扶助を行う施設である。いずれも居宅で保護の目的を達せられない場合の受け皿として機能する。
設置主体と社会福祉事業上の位置づけ
保護施設を設置できる主体は、生活保護法第41条により都道府県・市町村・地方独立行政法人のほか、社会福祉法人と日本赤十字社に限られる。営利法人は設置できない。これは保護施設の経営が社会福祉法上の第一種社会福祉事業に位置づけられ、利用者保護と経営の安定が強く要請されることに対応する。社会福祉法人が設置する場合は都道府県知事の認可を要し、運営にあたっては最低基準への適合や実施機関による指導監督に服する。入所・通所の決定は実施機関である福祉事務所が行い、要保護者本人の同意を前提とする点で、医療保護入院のような本人同意によらない措置とは性格を異にする。
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