ジチテン

地方独立行政法人

読み:ちほうどくりつぎょうせいほうじん

別名:地方独法
意味

地方独立行政法人とは、地方独立行政法人法に基づき、自治体が直接実施する必要はないが民間に委ねると確実な実施が見込めない公共的な事務事業を効率的かつ効果的に行わせるために、自治体が設立する法人である。

公立大学や公立病院、試験研究機関、水道などの事業について、自治体本体の組織から切り離し、独立した法人格を持つ主体に運営させる仕組みである。国の独立行政法人制度を地方版として整えたもので、2003年に地方独立行政法人法が制定された。自治体は中期目標を定めて法人に指示し、法人はその達成に向けて自律的に運営を行い、業務の実績は評価委員会による評価を受ける。予算の単年度主義や定員管理といった行政組織特有の制約から離れ、弾力的・効率的な経営を可能にする一方で、設立団体である自治体が出資や中期目標を通じて関与し、公共性を担保する。運営する事務事業の性質に応じて、公立大学法人や公営企業型などの類型に分かれる。

設立の目的と仕組み

地方独立行政法人の制度は、自治体が自ら行ってきた事務事業のうち、行政組織のままでは効率や柔軟性に限界があるものを、独立した法人に委ねて運営させるために設けられた。設立にあたっては、自治体が定款を定めて議会の議決を経て、総務大臣または都道府県知事の認可を受ける。自治体は法人に対し、おおむね三年から五年の中期目標を示し、法人はこれを達成するための中期計画を作成して運営にあたる。各事業年度および中期目標期間の終了時には、設立団体に置かれる評価委員会が業務の実績を評価し、その結果は次の目標設定や組織の見直しに反映される。職員の身分や会計の扱いは、後述する類型によって異なる。法人格を持つことで、予算の弾力的な執行や、業績に応じた人事・給与の運用が可能になり、行政の硬直性を緩和することが期待される。

法人の類型

地方独立行政法人は、行う事務事業の性質に応じていくつかの類型に分かれ、職員の身分や財務の仕組みが異なる。

公立大学法人

公立大学を設置・運営するために設立される地方独立行政法人である。大学の自主性・自律性を尊重する必要から、他の類型にはない特例が設けられており、学長の選考や教育研究組織の編成などについて大学の意思を反映する仕組みが置かれる。多くの公立大学がこの法人格に移行している。

公営企業型と一般型の区分

料金収入によって経費をまかなう病院・水道などの事業を行う法人は公営企業型とされ、企業会計に準じた財務運営を行う。これに対し、試験研究や社会福祉などの事業を行う法人は一般地方独立行政法人と呼ばれる。

一般地方独立行政法人

公営企業型に該当しない地方独立行政法人で、試験研究機関や社会福祉事業などを担う。職員が地方公務員の身分を持つ特定地方独立行政法人と、身分を持たない一般の法人とに分かれ、設立団体の判断で選択される。

申請等関係事務処理法人

2021年の法改正で対象に加えられた類型で、住民からの申請の受付や審査の補助といった定型的な窓口関連事務を処理する法人である。複数の自治体が共同で設立し、事務を集約して効率化することが想定されている。

つながりのある用語

言い換え・代替

参考情報(外部リンク)

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