直営とは、自治体が公の施設の管理や事務事業の実施を、外部の主体に委ねず、自らの組織と職員によって直接行う運営形態である。
公の施設の運営方法には、自治体が直接行う直営のほか、指定管理者制度による管理代行や、業務の一部を切り出して委託する業務委託などがある。直営は、施設の管理運営に伴う判断や責任を自治体が自ら負い、現場に自治体の職員を配置して日々の運営にあたらせる方式である。指定管理者制度が導入される以前は、公の施設の管理を外部に委ねる場合でも、出資法人など限られた団体への管理委託に限られており、それ以外は直営が原則であった。指定管理者制度や業務委託の活用が広がった現在でも、公権力の行使を伴う事務や、専門性・継続性・公平性が特に求められる施設では、直営が選択されることが少なくない。どの方式を採るかは、サービスの質・コスト・責任の所在を比較して、施設ごとに判断される。
指定管理者制度・業務委託との選択
公の施設をどの形態で運営するかは、直営・指定管理者制度・業務委託という選択肢の比較によって決まる。指定管理者制度は、施設の管理運営を民間事業者を含む指定管理者に包括的に代行させる方式で、使用許可などの処分権限まで委ねられる点に特徴がある。業務委託は、清掃・警備・設備保守といった個別の業務を切り出して事業者に請け負わせる方式で、施設運営の主体はあくまで自治体に残る。直営は、これらを用いず自治体が運営の全体を自ら担う方式である。一般に、コスト削減や民間の専門性・柔軟性の活用を重視すれば指定管理者制度や業務委託に傾き、公平性・継続性・公権力性の確保を重視すれば直営に傾く。同じ種類の施設でも、自治体の方針や施設の規模・性格によって採られる形態は異なる。
直営が選ばれる場面
直営が選ばれやすいのは、第一に、許認可や強制を伴う公権力の行使が運営の中心となる事務である。窓口での法令に基づく処分などは、民間に委ねることに法的な制約があり、直営とされることが多い。第二に、専門的な人材の継続的な確保や、長期にわたる安定した運営が求められる施設である。指定管理者の指定は数年単位で更新されるため、運営主体が交代することで専門性やノウハウの継承が難しくなる懸念があり、これを避けるために直営を維持する判断がある。第三に、利用者の安全や個人情報の取扱いに高い配慮が必要な施設、採算が見込めず民間の参入が期待しにくい施設なども直営とされやすい。直営は外部委託に比べて人件費などの行政コストが大きくなりがちである一方、運営の質と責任を自治体が直接コントロールできる利点がある。
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