学校図書館法とは、小学校・中学校・高等学校などに学校図書館を設けることを義務付け、その専門的職務を担う司書教諭と、運営の改善・向上を支える学校司書について定める法律である(昭和28年法律第185号)。
「図書館」と名が付いても、まちの図書館と学校の図書館では根拠法がまったく別である。公共図書館を規律する図書館法は学校図書館を対象から外しており、学校図書館は本法が単独で支える。第3条は学校に学校図書館を設けなければならないと定め、図書室のない学校は制度上ありえない建て付けになっている。人の配置は二本立てで、司書教諭は12学級以上の学校に必置(教諭のうちから充てる充て職)、学校司書は2014年の法改正で初めて法律上に位置づけられた職員で、配置は努力義務にとどまる。蔵書の整備には学校図書館図書標準(学級数に応じた蔵書冊数の目安)が示され、国は学校図書館図書整備等5か年計画により図書購入費・新聞配備費・学校司書配置費を地方財政措置で手当てしている。ただし地方交付税は使途を拘束しないため、措置額がそのまま図書費として予算化されるとは限らず、いわゆる予算化率の自治体間格差が長年の課題になっている。
司書教諭と学校司書の二本立て
学校図書館の人的体制は、性格の異なる二つの職で構成される。司書教諭(第5条)は、司書教諭講習を修了した教諭のうちから充てる充て職の教員で、学校図書館の専門的職務をつかさどる。法附則の経過措置で長く配置が猶予されてきたが、政令により2003年度から12学級以上の学校では必置となった。ただし授業を持つ教員が兼ねるため、図書館業務に割ける時間が乏しいという構造的な限界がある。学校司書(第6条)は、学校図書館の運営の改善・向上と児童生徒・教員の利用促進に当たる事務職員等で、2014年改正で法定化されたものの配置は努力義務であり、実際の任用は会計年度任用職員が中心で複数校兼務も珍しくない。「教育の専門性を持つが時間がない司書教諭」と「常駐できるが身分が不安定な学校司書」の組み合わせをどう機能させるかが、教育委員会の定数・予算編成の論点になる。
図書整備の財源と予算化率
国は学校図書館図書整備等5か年計画を継続的に策定し、学校図書館図書標準の達成、新聞の複数紙配備、学校司書の配置拡充を掲げて、毎年度数百億円規模の経費を地方財政措置(普通交付税の基準財政需要額への算入)で手当てしている。しかし交付税は一般財源であり使途が特定されないため、措置額に見合う図書購入費を実際に予算計上するかは各市町村の判断に委ねられる。結果として図書標準を達成しない学校が残り、措置額に対する予算化の割合(予算化率)の低さが繰り返し指摘されてきた。図書館担当が財政当局へ説明する際は、この地財措置の存在と図書標準の達成状況が予算要求の根拠資料になる。
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