ジチテン

努力義務

読み:どりょくぎむ

別名:努力義務規定
意味

努力義務とは、法令が「努めなければならない」「努めるものとする」などの文言で定める義務であって、達成に向けた努力を求めるにとどまり、違反しても罰則や強制を伴わないものをいう。

新たな計画の策定や体制整備を法令が求めているとき、担当課はそれが必ず果たさなければならない義務なのか、努力すれば足りる努力義務なのかを文言から読み分けなければならない。努力義務は、法令が「努めなければならない」「努めるものとする」と定める規定で、目標の達成へ努力することを求めるが、達成しなかったとしても罰則や強制執行、是正命令といった法的なサンクションを伴わない。これに対し「しなければならない」と定める通常の義務規定は、違反に対して罰則や処分が用意されることが多い。たとえば内部統制の整備・運用は、地方自治法上、指定都市以外の市町村では努力義務にとどまる。地方版総合戦略の策定や各種の地域計画の作成も、団体の規模に応じて義務とされる場合と努力義務とされる場合がある。努力義務は法的拘束力こそ弱いものの、国の補助要件や総務省の助言が事実上の取組みを促す機能をもつ。担当課にとっては、根拠条文の文末表現を確認して義務の強さを正しく見積もり、計画策定や体制整備の優先順位を判断することが実務上の要点となる。

義務の強さを文言で読み分ける

法令が定める義務は、文末の表現によって強さが段階づけられる。「しなければならない」「してはならない」は、作為または不作為を法的に強制する通常の義務であり、違反に罰則・処分・強制執行などのサンクションが結びつくことが多い。これに対し「努めなければならない」「努めるものとする」と定める努力義務は、結果の達成までは求めず、達成に向けた努力を尽くすことを求めるにとどまる。努力義務に違反しても、それ自体を理由とする罰則や是正命令は科されないのが原則である。さらに「することができる」は権限や裁量を与える規定であって義務ではない。担当課が法令に従って事務を組み立てる際は、まず根拠条文の文末表現を確認し、当該規定が強制力をもつ義務なのか、努力を求める努力義務なのか、裁量を認める規定なのかを読み分けることが出発点となる。文言の違いを見落とすと、必要な措置を怠ったり、逆に努力義務にすぎない事項を過度に重く扱ったりする誤りにつながる。

拘束力は弱くても事実上の効果をもつ

努力義務は罰則や強制を伴わないため法的拘束力は弱いが、実務では無視できない効果をもつ。第一に、国の補助金や交付金の交付要件として努力義務の達成や計画策定が組み込まれることがあり、財政的な誘導が取組みを促す。第二に、努力義務の履行状況は議会や住民、監査による点検の対象となり、合理的な理由なく取り組まない場合には説明責任を問われる。第三に、技術的助言や通知によって国・都道府県が達成を後押しし、努力義務が将来の法改正で完全な義務へ格上げされる例もある。たとえば内部統制や各種の地域計画は、当初努力義務とされたものが対象団体の拡大や義務化へと段階的に強化されてきた経緯がある。したがって担当課は、努力義務だからといって着手を後回しにするのではなく、財政誘導や将来の義務化を見越して計画的に体制を整えることが、結果としてその後の制度対応を楽にする。

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