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ジチテン

中期財政計画

読み:ちゅうきざいせいけいかく

別名:中期財政見通し
意味

中期財政計画とは、地方公共団体が向こう3〜5年程度の歳入歳出を推計し、収支不足の見通しとその対応方針を示す財政運営上の計画である。法令上の策定義務はなく、中期財政見通しや財政収支見通しの名称を用いる団体もある。

単年度の予算が組めたかどうかだけを見ていると、3年後に財政調整基金が底を突くような構造的な収支不足には気づけない。中期財政計画は、税収の動向、地方財政計画の見通し、公債費の償還予定、人件費や大型事業の山を重ねて複数年の収支を推計し、予算編成より先に「このままなら毎年度いくら足りないか」を可視化する道具である。示された収支不足額は行政改革の目標額や基金活用方針の根拠となり、予算編成方針総合計画実施計画は、このフレームを財源の裏付けとして組み立てられる。決算地方財政対策を反映して毎年度ローリング改定するのが通例で、推計の前提を明示しなければ議会や住民との議論に耐えない。早期健全化基準に該当した団体が義務として策定する財政健全化計画とは異なり、あくまで任意の自己規律の道具である点が出発点になる。

推計の作り方と使い方

歳入は、税制改正や経済見通し、毎年度の地方財政対策を参照して税と交付税を見積もり、歳出は公債費を償還台帳から確定的に、扶助費等は伸び率で、投資的経費は実施計画事業の積み上げで推計する。結果として示される収支不足額は警告であると同時に対応方針の出発点であり、行革効果や基金繰入をどの年度にいくら充てるかまで一体で示すのが通例である。推計は仮定の産物なので、税収の伸び率・金利・大型事業の時期といった前提条件を本文に明記し、毎年度の決算を反映してローリングする。予算編成方針の冒頭に中期収支の要旨を掲げ、新規事業の要求にはこのフレームの中で財源を示させる運用まで踏み込めば、中期財政計画は事実上の事業選択の関門として機能する。

法定計画・国の計画との区別

名前の似た計画が複数あるため区別が要る。国の地方財政計画は地方交付税法に基づいて国が毎年度策定する地方財政全体の歳入歳出見込みであり、個々の団体の計画ではない。財政健全化計画・財政再生計画健全化判断比率が基準に該当した団体が法律上の義務として策定し議会の議決を経るもので、任意の中期財政計画とは法的性格がまったく異なる。中期財政計画はどの基準にも該当しない平時の団体が、悪化の兆しを早く掴むために自主的に作る点に存在理由がある。公表の深さは団体差が大きく、議決を経ない内部資料にとどめる団体から、前提条件と感応度分析まで公開する団体まで幅があるが、住民への説明責任の文脈では公表が標準になりつつある。

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