デジタル・情報

自治体DX基幹系標準化:令和7年度末移行期限と実務課題

2026年5月20日

地方公共団体情報システムの標準化に関する法律が定める令和7年度末の移行期限に向け、全国1,741自治体の移行進捗には大きなばらつきがある。ガバメントクラウドへの接続環境整備と庁内のデータ移行作業が並走する中で、小規模自治体を中心に人員・費用の両面で移行対応の負荷が顕在化している。

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令和7年度末移行期限と進捗状況

地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(令和3年法律第40号)第10条は、自治体が令和7年度末(2026年3月31日)までに対象20業務のシステムをガバメントクラウド上の標準準拠システムに移行することを義務付けている。デジタル庁が令和5年度末に公表した調査によると、全20業務の移行を完了または確実に完了できる見込みの自治体は全体の約3割にとどまり、残り約7割は一部業務の移行が期限後にずれ込む見通しを示した。移行が遅延している主な要因は、ベンダーのシステム開発遅延・データ移行作業の工数過小評価・庁内の担当職員不足の3点だ。

ガバメントクラウドへの接続環境整備

ガバメントクラウドへのアクセスにはLGWAN回線を経由した接続が基本となり、現行の回線帯域が不足する自治体では増速工事が先行して必要となる。デジタル庁は令和5年度から自治体向けの移行支援金(移行経費の国費補助)を拡充しているが、補助対象外となる庁内LANの改修費や職員研修費は自治体負担のままだ。J-LIS(地方公共団体情報システム機構)はLGWAN回線の共同調達制度を通じてコスト削減を支援しており、複数の市区町村が共同でベンダーと交渉する事例も出ている。

移行作業の優先順位と庁内推進体制

20業務の移行を一度に完了させようとすると庁内の調整負荷が集中するため、リスクの低い業務(住民記録・税系)を先行させ、高度な連携設定が必要な業務(国民健康保険・福祉系)を後続に回す段階的移行が現実的な選択肢となっている。移行プロジェクトの成否はシステム担当職員だけでなく業務担当課の参画が鍵で、現行業務プロセスの棚卸しと標準仕様とのギャップ分析(Fit & Gap)には業務知識を持つ職員が不可欠だ。令和8年度以降は標準仕様書の改定サイクルへの追従(年次アップデート対応)が新たな実務課題となる。

#地方公共団体情報システム標準化法#ガバメントクラウド#LGWAN#自治体DX
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