入札の保証金や職員給与から天引きした源泉所得税は、自治体が受け取ってはいるが自治体の収入そのものではなく、いずれ落札者へ返すか国へ納める預かり金にすぎない。これを歳入として予算に取り込んでしまうと、自分の金でないものを歳入に計上することになり、決算が実態と食い違う。そこで歳入歳出に属さない一時保管の現金を、本来の歳計現金とは区別して経理する。これが歳計外現金であり、入札保証金・契約保証金・源泉徴収した所得税や住民税・職員の社会保険料などが典型例である。歳計現金が自治体自身の財布の中身であるのに対し、歳計外現金は他人の金を一時的に預かっている財布という点を押さえると、両者の出納整理や保管の扱いの違いが理解しやすい。
歳計現金との線引きと保管の規律
歳計外現金が問題になるのは、現金として金庫や預金口座に存在していても、それが自治体の財産ではない他者の金だという点にある。地方自治法は、自治体の歳入歳出に属する現金を歳計現金として扱う一方、入札保証金や源泉徴収税のように歳入歳出に属さず一時的に保管するだけの現金を歳計外現金として区別し、その出納と保管を会計管理者に行わせる。両者を混同して歳計外現金を歳計現金として運用に回せば、本来返還・納付すべき他人の金を自治体の資金繰りに流用したことになりかねない。そのため歳計外現金は、最終的に落札者への返還や国・都道府県への納付という形で必ず外へ出ていく前提で、所有者ごとに区分して保管される。決算統計でも歳入歳出の収支とは別建てで把握されるため、形式収支や実質収支の計算には入らない点も、歳計現金との性質の違いとして押さえておく必要がある。
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